Bリーグの“小さな巨人” 富樫勇樹はプレッシャーを感じない

2015年に創設された日本プロバスケットボールのBリーグで、千葉ジェッツふなばしのポイントガードとして活躍している富樫勇樹選手。Bリーグ5年目を迎えた2020年、大野ヘッドコーチからチームキャプテンの任命を受けた彼が、これまでの人生と現在、そして将来への展望を書籍「『想いをカタチにする』ポジティブ思考」(KADOKAWA)で明かしている。

高校生で渡米し、帰国してすぐプロとしてバスケのコートに立ってきた富樫は、海外で選手契約を果たした経験も持つ。アメリカ、ヨーロッパと挑戦し、今ふたたび日本でプロとして活躍を続けている彼は、自らをして「プレッシャーを感じない人間」だと豪語する。緊張するのは「自分に自信がないとき」だといい、場数を踏んで実力をつけ、緊張から解放される瞬間を見逃さないことの重要性を説いている。2019年に中国で行われたワールドカップで日本代表が連敗を喫したのも、自信の欠如だったのではないかと分析している。

富樫は試合に出られない日々が続いていた頃、コーチの言うことは無理にでも従うよう心掛けていたという。そうしなければ試合に出してもらえない。ところが、あるときを境にそれをやめた。コーチが間違っていたわけでも、選手が間違っていたわけでもない。人間同士、波長が合わない場合はあるものだ。その後、コーチが変わり試合出場回数が増えていくわけだが、こういった経験を自らしているからこそ、「アドバイスをすべて聞く必要はない」と話す。

ただし、自分のスタイルを貫く方がいい結果が出るのか、アドバイスを聞いた方がいい結果が出るのかについては、早い段階で自覚しておくことをすすめている。彼は自身を、コーチにもキャプテンにも向いている性格ではないと振り返りつつ、もし指導者を目指すようになったら「選手たちのタイプをしっかりと把握することに力を入れると思う」としている。集団を構成するそれぞれの個性を把握したコミュニケーションは、バスケットボールに限らず、どんなフィールドにおいても役に立つはずだ。

富樫の理想は、接戦となった試合の最後でボールを持つことを許される選手だそうだ。シュートを外しても、「彼なら仕方ない」と周囲に思われる、圧倒的な信頼。実力ある者だけが任されるボールの重みを知っているからこそ出てくる言葉だ。試合で結果を残すことで、プロとして生き残ってきた。そしてトップ選手は挑戦を恐れない。挑戦して結果を出し、それが自信につながっている。富樫選手が率いるチームがどんなドラマを見せてくれるのか、今後も目が離せない。

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