ウェス・アンダーソン監督の「好きなTVドラマ」と「お気に入り映画3作品」

世界中の人々を震撼させている新型コロナウイルスの脅威。感染拡大による影響で、多くの人が自宅待機を余儀なくされているが、そうしたなか『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001年)や『グランド・ブダペスト・ホテル』(2013年)などの作品で知られる映画監督のウェス・アンダーソンが、手持無沙汰となった時間を有効活用するためのオススメ映画を紹介して反響を呼んでいる。

5月のカンヌ国際映画祭への出品を予定していた最新作『The French Dispatch(原題)』が、新型コロナの影響で9月のトロント国際映画祭への出品へとシフトし、全米の公開時期も延期となってしまったことで事実上の待機状態となっているアンダーソン監督。

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最近はSNSなどでお気に入り作品をしばしば紹介しており、例えばテレビシリーズでは『ブレイキング・バッド』のスピンオフ作品『ベター・コール・ソウル』を、「シンプルに、私のお気に入りのシリーズです」と絶賛。

その見所についても解説するなど、完全にドハマリしていることを明かしているが、映画については以下の3作品がオススメだそうだ。

■『西部の男』(1940年)

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多くの映画人からの尊敬を集めるウィリアム・ワイラーが監督し、元祖イケメン俳優として知られるゲイリー・クーパーが主演する西部劇。1880年代のテキサスを舞台に、それまで栄華を誇っていた農場主たちと新天地を求めて入植してきた移民たちとの戦いや、腐敗した司法によって引き起こされるトラブルのなかで、人々が様々な想いを抱きながら悪と戦い、恋をして、逞しく生きていく姿を描く。
ストレートな西部劇ではあるが、わかりやすい勧善懲悪モノではなく、本当の意味での正義とは何かを考えさせられる点も秀逸。アカデミー賞助演男優賞を獲得したウォルター・ブレナンの名演や、ハイセンスなアートディレクションも注目だ。

■『白昼の情事』(1964年)

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1960年代に印象的な視覚スタイルで活躍した寡作の天才セス・ホルト監督の作品。ジャン・マルテの戯曲を元ネタに1937年に制作された『S.O.S.Sahara』のリメイクとしても知られる。石油のパイプラインの設置作業中に、はからずも孤立することになってしまった5人の男性のバトルを描いているのだが、実は彼らにはなぜか男性機能不全という共通点があった。そんな矢先にキャロル・ベイカーが演じる魔性のブロンド美女が突如として現れたことで状況は一変。男たちが妙にギラつきはじめて……。
人間の持つ欲望をシンプルにとことん掘り下げている点が実に印象的な作品である。

■『最後の晩餐』(The Big Feast/1973年)

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風刺を得意とするマルコ・フェレーリ監督のイタリア・フランス合作映画。マルチェロ・マストロヤンニ、ウーゴ・トニャッツィ、ミシェル・ピッコリ、フィリップ・ノワレの4人が演じる富豪で道楽者の男性たちが、あり余る食欲と性欲のままに生き、そして死んでいく様子を描いたコメディ作品。

すでに半世紀近く前の作品でありながら、現代人が直面している大量消費主義や快楽主義に偏重した生き方を風刺し、問題提起している点が大きな特徴だ。ほかにも、フェレーリ監督なら『女王蜂』(1963年)と『The Ape Woman』(1964年)もオススメだとアンダーソン監督は語る。

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