殺人は朝飯前、クソヒーローを叩き潰すのみ 「ザ・ボーイズ」を率いる危険なリーダー・ブッチャー

Amazonプライム・ビデオで公開されるや否や、大反響のうちに幕を閉じた『ザ・ボーイズ』シーズン2。しかし興奮の余韻に浸る間もなく、シーズン3の撮影が2021年にも開始されることが発表されファンを歓喜させた。

Amazon Prime Video/YouTube

シーズン3配信開始を待つ間に、改めてシーズン1・2をおさらいする人も多いだろう今、作品をより楽しむために主人公のビリー・ブッチャーにフォーカスしてみよう。

『スター・トレック』『ジャッジ・ドレッド』『マイティ・ソー バトルロイヤル』など、SFやスーパーヒーロー作品に欠かせない存在の俳優カール・アーバンが演じるビリー・ブッチャーは、ザ・ボーイズのリーダー。超能力は持たないが超暴力的、そして超絶“口が悪い”タフガイである。しかしあまりに汚い言葉をときに“詩的”に使うブラックユーモアの持ち主でもあり、そこが面白可笑しくもある。なかでも“Diabolical(胸クソ悪い)”という言葉はブッチャーのトレードマークでもあり、高頻度でセリフの中で使われているのでぜひ憶えておこう。

ちなみに“Diabolical”というセリフが最初に登場するのがシーズン1のエピソード1。スーパーヒーローを嫌うブッチャーが、スーパーヒーローを信仰するヒューイに向かってこう言うのである。

ブッチャー:「(スーパーヒーローは)映画、マーチャンダイズ、テーマパーク、テレビゲーム、何十億ドルという世界産業だ。大企業や政治家からも支援を受けている。だが奴らの悪事を知れば、胸クソ悪くなる」

他にも、ブッチャーが目からビームを発する赤ん坊を武器にするというブッ飛んだシーンがある。赤ん坊の首根っこを掴んで相手に向けると、「おい、やれ」と実に乱暴に赤ん坊を扱う。そして赤ん坊が放つビームによって相手の首が飛ぶと、“Holy f**k, that was diabolical(すげえな、魔術かよ)”と、まるで決めゼリフのように“Diabolical(胸クソ悪い)”が使われている。

またブッチャーはイギリス出身、(自称)元イギリス軍特殊部隊かつ元CIA工作員という設定で、強烈なロンドン訛りのトークが特徴。よってFワードはもちろん、イギリス英語のNGワード、Cワードもいたる所で連発する。例えば、“ビリーブエキスポ”という宗教関連のフェスが舞台となったエピソードでは神をC*ntと呼ぶと、配信後ネットは大騒ぎとなった。

ビリー・ブッチャー:I’m saying if there is some geezer up there, with a big white beard, he’s a world heavyweight c*nt.(おいおい爺さん、白ひげの男なんて最低だぜ。世界的なヘビー級の“クソ野郎”だ)

老神父:今、神を“クソ野郎”と呼んだか?

このあたり、実は『ザ・ボーイズ』がただただブッ飛んだ設定のおバカなドラマではなく、痛烈な社会風刺も込めているが伝わってくる。続くセリフでブッチャーは、神について「大量殺人と子どもの病気に勃起しやがるアイツの最大の失敗作は、神の子をはりつけにした人間だ」と言い放つと、さらにはその神の行動を“C*nt move(自分勝手な行動)”と言い、「(神に)核ミサイルをぶち込んで終わらせてやろう」と持論を展開する。ほんの数十秒程のシーンではあるが、社会のタブーを大胆に扱っているのである。

そしてシーズン1・2を通してファンから最も“可笑しい”ブッチャーのセリフのひとつに挙げられているのが、スーパーヒーロー集団セブンのメンバーであるトランスルーセントを、ザ・ボーイズが拉致したシーン。問い詰めるために連れてきたと思っていたヒューイが、「国民的スーパーヒーローを本当に殺すのか?」と問う。

ヒューイ:本当に殺すの?

ブッチャー:We didn’t bring him here for a f*cking Happy Meal.(ハッピーセットを食わすために連れてきたんじゃねえよ)

ザ・ボーイズがトランスルーセントを閉じ込めているのは、シリーズに度々登場するファミリーレストランのトニー・シセロ。スーパーヒーロー信仰の抜けていないヒューイに対し、“ハッピーセット”みたいな子どもの好物を振る舞うために連れてくるわけないだろ、とブッチャーがツッコむのである。これから観る方や繰り返し視聴するという方はそんなブッチャーの絶妙なワードセンスの数々にも注目してみてほしい。

さて、『ザ・ボーイズ』はシーズン1配信当初、過激な暴力描写等により成人指定されていたが、こうした数々の過激なセリフを振り返ってみてもやはり、「良い子は観てはいけない」作品だと認識させられる。しかしそこが同シリーズの面白いところ。シーズン3の到着を待ちつつ、もう一度シーズン1・2を楽しんでみよう。

シーズン3が待ちきれないという中毒者が続出している超人気ドラマシリーズ『ザ・ボーイズ』は、Amazonプライム・ビデオでシーズン1・2を独占配信中。

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