ネットフリックスもマクドナルドも 「手洗いと好きな曲が合体」オンライン・ツールが人気爆発

いま世界中で避けられない話題となっている新型コロナウイルス。感染ルートや感染予防、拡散防止の方法などについて連日報道が続いているが、取るべき対策として基本中の基本と言われているのが手洗いだ。通常の風邪と同様に、何よりもまず手洗い、うがいである。ところが、実に9割以上の人々が効果的で正しい手洗いができていないと言われており、ちゃんと時間をかけて洗うことを推奨する専門家は多い。

そこで話題となったのが“ハッピーバースデーの歌を2回歌いながら手を洗う”という法則。バースデーソングを2回歌うくらいの時間(約30秒)をかけて手を洗えば大丈夫というルールで、これなら幼い子でもできるし、1つの目安としてシンプルで分かりやすい。すでに実践している人も多いのではないだろうか。

そういった状況のなか、William Gibsonという若干17歳の青年がリリースした<Wash Your Lyrics>というサービスが話題になっている。自分の好きな楽曲のタイトルとアーティスト名を入力するだけで、歌詞に合わせて手洗い方法が描かれたイラストを生成してくれるのだ。(※日本語未対応)

ハッピーバースデーの歌だけでなく、誰でもお気に入りの曲で“手洗いの歌”が作れてダウンロードも可能なので、SNSに投稿するユーザーが増えている。デザインがなかなかポップなのも人気のポイントで、すでに9万ダウンロードを記録しているという。

この話題のサービスをたった24時間で開発してリリースしたというWilliamは、現在イギリスでコンピューティングを学びながらデベロッパーとしても活躍している。なんと9歳のときにコンピューター・プログラミングに触れるようになったそうで、ゲーム『マインクラフト』を改造しようとしたのがきっかけというから驚きだ。しかし、この改造自体はうまくいかずにエラーの連続だったらしいが、2017年にはiOSアプリの開発を学び始めるなど、着々と技術を身につけていった。

その後、しばらくは表立った活動をしていなかったが、昨年から今年にかけて<Cryb>というサービスを開発しており、これが初めてリリースした公式なプロジェクトになるそうで、友人たちと使用していた、NetflixやYouTubeなどをまとめてストリーミングできるサービスが出資者不足で停止したことをきっかけに、自ら同様のサービスとして<Cryb>を開発公開したのだという。ただ、このプロジェクトは上手くいかず、「毎月100,000ドルの使用料が発生していたが、法的理由で利用者からの支払いが実現せず、結局オープンソースにしてプロジェクトを去った。ものすごく消耗した」と、振り返る。<Wash Your Lyric>はそれ以降、初めて着手したプロジェクトになる。

ある時、<Tumblr>で手洗いのイラストを目にしたのだが、その説明が100 gecsの「money machine」の歌詞に変わっており、おもしろいと思ってほかの歌でやってみようと思ったのだが、いちいち画像を制作するのは面倒だという理由で、自分のスキルをフル活用してサービスそのものを開発したという。「<Cryb>と同じように、思いついた時点で人気が出ることはなんとなくわかっていた」と語るWilliamだが、あまりの人気で「ちょっと怖い」とも明かし、現在はサーバーがダウンしてしまわないように見張っている状態らしい。「それでもみんなが楽しんでくれていることはとても嬉しいし、手洗いが広まるのであれば作った甲斐があった」と話す。

ほかにもアイデアはたくさんあるが、リスクやコストを考慮すると今後も<Wash Your Lyrics>のような小規模のプロジェクトを続けるかもしれないと話しており、「キャリアについてもいろいろ考えてはいるけど、最終的には自分のソフトウェア会社を設立することがゴール」と、目標を掲げている。<Cryb>での技術が注目され、すでに業界大手からのアプローチもあるらしく、「大学に行くことには全く興味が無いので、学校を卒業したらその会社で見習い的に働こうかと思っている」と語った。

実際にコロナウイルスの感染予防に一役買っているアイデアと技術。不安な世の中だが、Williamの前途は可能性に満ちており、人々の気持ちがちょっと明るくなるような、気のきいたサービスを今後も発表してほしい。

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