史上最高のダンカー、芸術的な3ポイントシュート… NBA最長記録 ビンス・カーターを振り返る

現地時間2020年3月11日に、選手のコロナウイルス感染によって中断されたNBA。この前代未聞の出来事にファンたちは衝撃を受けたことだろう。しかし、最も衝撃を受け、悲しさを味わったはずであろう男は、満面の笑みで最後になるかもしれないコートを去った。その男の名は今季限りでの引退を表明していたビンス・カーターだ。

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カーターはアトランタ・ホークスに所属する大ベテランで、今季はNBA歴代最長となる22シーズン目を過ごしていた。彼がNBAでプレイを始めたのは1998-99シーズン。さらに、このシーズンもNBAはロックアウトによりシーズンが短縮(82試合→50試合)されており、キャリアの最初と最後のシーズンが短縮されているというのも実に皮肉な事実だ。

カーターは1年目から、トロント・ラプターズの主力として活躍。50試合中49試合でスターターを務め、平均18.3ポイントを挙げる活躍で新人王に輝く。さらに翌年は平均得点25.7得点(オールNBA 3rdチーム選出)、3年目は27.6得点(オールNBA 2ndチーム選出)と大活躍し、ラプターズのみならずNBAのスーパースターへと順調に階段を駆け上がっていった。

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また、彼がファンを惹きつけたのは、その類まれなる身体能力から繰り出される数々のスラムダンクであった。試合中でありながらもコンテストばりのダンクを連発。そして、2000年のダンクコンテストでは逆回転360度ウィンドミルや、アリウープ・レッグスルーダンクなど、誰も見たことがないダンクで、ぶっちぎりの優勝を果たす。さらに2000年のシドニーオリンピックでは、フランスの218cmの選手を文字通り飛び越えてダンクするという人間離れしたプレイを魅せ、ダンクはカーターの代名詞となった。

しかし、ダンクだけで22シーズンも続けられるNBAではない。カーターは猛者の集まる戦場を生き抜く確かなスキルも持っていた。カーターの武器として象徴的なものが3Pシュートだ。成功本数はキャリア通算2,290本で歴代6位。また、先日のNBA中断前のラストゲームであるニューヨーク・ニックス戦でも、試合終了間際に見事な3Pシュートを沈めたのであった。

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シュートを決めた後、突然訪れたラストゲームに悲しむ素振りを一切見せず、笑顔を振りまいていたカーター。翌日、自身のツイッターでこんな感謝の言葉を述べている。

「(試合中にNBA中断を知らされ)とても不思議な夜だったけど、この22年間の旅路で関わった人たち全員の愛とサポートに感謝です」

22年もの間、世界最高峰バスケットリーグに在籍した彼は、間違いなく超一流のプレイヤーでありエンターテイナーであった。

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