アンダーアーマー、通常業務をストップし医療用マスクを生産

世界中の有名アスリートたちが愛用するスポーツ用品ブランド「UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)」が、新型コロナウイルスの感染拡大により、思わぬ形で注目を集めている。

米メリーランド州ボルチモアにある同社の設計オフィスは、新型コロナの影響を受けて業務内容が一変した。平時であれば、スタッフたちは世に送り出すスポーツ用品の製造ラインの設計を行っているが、現在の彼らが急ピッチで取り組んでいるのは、新型コロナと戦う医療従事者向け保護具の製造ラインの構築だ。デザインチームを率いるアパレルデザイナーのマギー・スノークは、「地元の医療施設から連絡があったとき、私たちは彼らの求めるマスクや術衣といった必需品を、より多くできるだけ早く届けることを、最優先事項にしました」と語る。

全土で医療崩壊が発生しつつあるアメリカでは、最前線で奮闘する医療従事者のマスクや、フェイスシールドといった装備が不足している。そうした事態を重く見た同社は、まずメリーランド大学の医療システムに所属する約28,000人の医療従事者たちのサポートのために、装備の製造に着手することになったのだという。

なお、アンダーアーマーも北米にある188店舗で一時的に従業員を解雇し、配送センターでも約600人の従業員を一時解雇、さらには幹部も給与を25%引き下げることを発表するなど、経営状態に深刻な打撃を受けている。それでも通常業務の大半をストップさせ、医療用ギアの製造に全力を注いでいるという。しかも、スポーツ用品の製造で培った高い技術力と安定した製造ラインを持つことから、本来であれば畑違いであるはずの医療用ギアの製造にも、完全に適応できているというから「さすが」といったところだ。

経営危機に直面しながらも人命を尊重し、マスクをはじめとする医療用ギアの製造に心血を注ぐこととなったアンダーアーマー。さしあたってはメリーランド州の医療従事者に向けて、週に10万枚のマスクを提供することを予定しているが、そのほかにも、プラスチック製のフェイスシールドの製造にも着手しているという。医療現場の最前線で戦う医療従事者たちを支えるべく、黙々とマスク作りに励むスタッフたち。日頃はアスリートの活躍を支える彼らが、全力で医療従事者たちの奮闘をサポートしている。

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