あんなファウルで一発退場かよ! 今のNBAは弱くなった?

NBAのプレイオフ、ウエスタン・カンファレンス準決勝のフェニックス・サンズ対デンバー・ナゲッツのシリーズは、他のシリーズとは違い一方的な展開となってしまった。エースガードのジャマール・マレーを欠くナゲッツはサンズとの戦力差を埋めることができず、結果としてサンズが4連勝(スイープ)でウエスタン・カンファレンス決勝進出を決めた。

ナゲッツには今シーズンのMVPに輝いた“ジョーカー”ニコラ・ヨキッチがいた。このようにシーズンMVPを擁すチームがスイープ(4連敗)で敗退したのは、1989年のマジック・ジョンソン率いるレイカーズ以来32年ぶり。ヨキッチにとっては史上5人目となる不名誉な記録がついてしまったのだ。

普段は滅多にフラストレーションを表に出さないヨキッチもこの状況にはさすがにイライラが募ったようで、「負けたら終わり」の第4戦3Q残り約4分。シュートを外したヨキッチはサンズのキャメロン・ペインに対し、大きく腕を振りかぶってスティールを狙う。ボールを弾いたもののペインの顔にも腕が当たってしまったようですぐさまコールが。デビン・ブッカーは「おい何やってんだ!」と詰め寄り、ヨキッチもそれに応戦(後にファウルについて謝罪している)。そんななか審判がコールしたのはフレグラントファウル(一発退場処分)。ナゲッツは崖っぷちの一戦でMVP選手を失うこととなってしまった。

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しかし、ここで他のNBA選手たちが気になったのはゲームの展開やヨキッチのプレイうんぬんではなく、審判のコールだったようだ。

アトランタ・ホークスのトレイ・ヤングは
「これがフレグラント2? マジか」

メンフィス・グリズリーズのジャ・モラントは
「NBAが弱々しくなってる……」「こういう試合ではフラグラント1を与え、プレイを続行させるべき」

などとコメント。彼らの目にはヨキッチが一発退場処分となるようなファウルには見えなかったようだ。

一方、ESPNのスポーツ番組『First Take』のMC陣は、「決してNBAが弱々しくなっているわけではない」と主張した。「彼らが“ソフト”という言葉を使うのは、80年代、90年代、00年代のNBAを見てきているからだ。でも、選手たちは戦いたいわけではなく“プレイ”をしたいはず。NBAとしても選手たちをより”バスケットボールプレイヤー”に専念させるための笛になってきていると思う」

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たしかに以前のNBAは今よりも激しいプレイが多く、乱闘劇を楽しみにしているファンもいた。

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しかし、近年は選手たちによりバスケットに集中してもらうため、早め早めにファウルを取って激しい乱闘の予防を目指しているというのだ。「NBAは弱くなった」という言葉は間違ってはいないかもしれないが、危険な技ではなく、“健全なエンターテインメント”として正しい道を歩んでいると言えるのかもしれない。

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