メディアにほぼ顔を見せないカリスマ 彗星のように現れ、姿を消した“生きる伝説” トム・ペニー

90年代当時のスケートボードシーンの情報源は、『スラッシャー』や『トランスワールド・スケートボーディング』などの専門誌か、『411VM』やトランスワールドからリリースされるビデオマガジン(まだVHSの時代)だった。

そうした中でスケートボードが尋常ではなく上手いのに、メディアにほとんど顔を見せないというカリスマ性に富んだ男がいた。それが今回紹介するトム・ペニーだ。ちょっと出演すれば伝説的な滑りを残すこと、また自身がイギリスのオックスフォード出身ということもあり、どんな人物なのか情報が非常に少なかったことから“生きる伝説”と言われている。

Theories Of Atlantis/YouTube

彼の魅力は力がまったく入っていないかのようなスタイルで、とんでもなくクリーンなキックフリップ(スケートボードを垂直方向に1回転させる技)やフロント・フリップ(前方へ180°回転しながらスケートボードを垂直方向に1回転させる技)を成功させるところにある。

DrSk8No/YouTube

また、ミニランプ(スノーボードのハーフパイプのようなセクション)も尋常でないほど上手く、上記の映像はトム・ペニーを神格化させた映像のひとつだ。

ThrasherMagazine/YouTube

その後は所属していた<フリップ>というチームがアメリカに渡ったことで、トム・ペニーブームが巻き起こることになるが、それを嫌ったトム・ペニーはフランスなどへ雲隠れしてしまう。それもまたトム・ペニーらしいとシーンから評価されているのは、さすがである。

本当にスケートボードの上手い達人は富や名声などを求めず、静かにスケートボードを楽しめる環境こそ、手に入れたいものであるのに違いない。

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