ビル・ゲイツが明かす “ナメられない交渉術”

1975年、友人のポール・アレンとともにマイクロソフト社を立ち上げ、Windowsシリーズで巨万の富を築き上げることとなったビル・ゲイツ。
そんな彼は2006年に第一線を退くものの、その後も順調に富を蓄え続け、2017年に発表されたフォーブスの世界長者番付では、推定資産860億ドルで4年連続の首位に立っており、その財力は現在もなお一切の陰りを見せることがない。

19歳でシリコンバレーの投資家になった大学生、アレックス・バナヤンが著した『サードドア: 精神的資産のふやし方』(大田黒奉之翻訳/東洋経済新報社刊)では、そんなゲイツがマイクロソフトという巨大帝国を築いたノウハウの一端を垣間見ることができる。

著者であるバナヤンがゲイツにインタビューした際、ゲイツは自身の成功の始まりとなった巨大企業・IBMとの契約について振り返り、「当時、僕は若かったし、見た目はもっと若かった。IBMの連中がテーブルを囲んで、最初から僕をいぶかしく思っていた」と語っている。

このとき、ゲイツはまだ25歳。世界最大のハイテク企業であったIBMの重鎮たちが並ぶ席上に登場する「ビジネスパートナー候補」としてはあまりに若すぎた。しかし「会議で売り込むための第一歩は、まず相手の不信感を吹き飛ばすことで、そのための一番の方法は、専門知識で相手を圧倒することだ」と考えていた彼は、早口でまくし立てるようにありとあらゆる専門知識を語り、「ただの若者ではない」ということを印象づけたのだという。

「だいたいいつもこう聞かれるんだ。この仕事を終えるのにどれくらいの時間がかかりますかって。僕らはこう答えた。『そうですね。今ここでお約束する期日より早く仕上げてみせますよ。いつがお望みですか?今から数時間後とか?』」

まずは相手が知りえないほどの高度な専門知識で煙をまき、「すごい」と思わせた後で、ハッタリ混じりのトークで決断を迫る交渉術。こうした術を25歳の若者が持ち、それを経験豊かなIBMの重鎮相手に披露して成功するというのは、実に驚くべきところといえるだろう。

わずか9歳にして『ワールドブック百科事典』を読破し、幼き頃からナポレオンに憧れていたというゲイツ。やはり“大物”となる人物というものは、独特なノウハウやテクニックと、大きな成功を引き寄せる強力な運を持つものなのかもしれない。

Netflix Japan/YouTube

現在Netflixでは、ビル・ゲイツのドキュメンタリー『天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する』が配信中。

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