死のビー玉遊び 『イカゲーム』監督が伝えたかったメッセージ

2021年9月にNetflixで配信開始されると世界の90カ国で1位を記録する大ヒットになっている韓国ドラマ『イカゲーム』。
本作の脚本と監督を務めたファン・ドンヒョク、美術監督のチェ・ギョンソン、主人公ソン・ギフン役を演じるイ・ジョンジェ、幼馴染のチョ・サンウ役を演じるパク・ヘスが、ドラマ製作の舞台裏について語った。

Still Watching Netflix/YouTube

『イカゲーム』は456億ウォン(約42億円)という巨額の賞金をめざして456人の参加者たちが子どもの遊びを取り入れたデスゲームに挑戦するサバイバルスリラー。ソン・ギフンやチョ・サンウをはじめ、様々な理由で金を必要とする参加者たちが命懸けで死のゲームに挑戦する…。

・ペアゲームでのひねりの効いた展開
ビー玉遊びのシーンでは、主人公ギフンは親交のあった老人イルナム(オ・ヨンス)とペアを組んでゲームをすることに。だが、自分が勝つことは、相手を死に追いやることを意味する……。ギフンの大きく揺れ動く感情が描かれるシーンであり、イ・ジョンジェは「役を演じながら考えさせられることが多かった」と振り返る。ドンヒョク監督は「2人の絆とそれが引き裂かれる瞬間」が描かれた場面だと表現している。

一方で、ビー玉遊びでペアを組む脱北者のセビョク(チョン・ホヨン)を勝たせようとする犯罪者のジヨン(イ・ユミ)。ゲームをする前に語り合った女子2人の間には、お互いに対する共感や理解が芽生え、友情のような関係が生まれていた。ドンヒョク監督は彼女たちのことを最も純粋な存在として描きたかったようだ。また、10年前に書いた台本ではジヨンは男性の設定だったが、女性同士のつながりに変えて描いたことで説得力が増したと考えている。

Netflix Japan/YouTube

・ギフンとサンウの関係
最終戦まで勝ち残ったギフンとサンウ。同じ状況下でありながら全く異なる考えを持つ2人が激しくぶつかり合うシーンが描かれる。2人の考えや感情の衝突を描く場面は「どんなアクションシーンよりも激しく、緊張感が高まる」とイ・ジョンジェは表現する。賢くて必死に頑張ってきたサンウは、自ら勝利をつかんだと信じ、そのためには他人を打ち負かすことをいとわない。正反対の生き方をしてきたギフンは、他人に助けられて今の自分があることを経験から学んでいる。このような彼らの信念の違いを描くことは、ドンヒョク監督にとって伝えたかったメッセージの1つであり、他のサバイバルゲームと一線を画す部分でもあるようだ。パク・ヘスは「サンウたちは自らの手で他人を死に追いやり、それを正当化しようとしてきた。本当はたくましいギフンに対して嫉妬があり、その葛藤から抜け出したかったのかもしれない……」とも分析している。

TAGS