全ての行動を監視して記録 SNSは人類を脅かすか?

大勢の人々がSNSを利用し、デジタルプラットフォームは人同士がつながるためのライフラインとなりつつある現代社会において、SNSが人間へもたらす真実の影響に注目したNetflixの新作ドキュメンタリー『監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影』。

Netflix/YouTube

本作では、シリコンバレーで勤務した主要SNSの関係者たちがインタビューを受け、SNSが私たちの考え方や行動、生き方にいかに多大な影響を与え、人間社会の文明をどのように再プログラムしているかということを明かしている。

これまで私たちが平等や正義のために声をあげたり、社会問題へ対する抗議運動を起こすときなどに、SNSはポジティブなかたちで活用されてきた。さらに2020年には、新型コロナウイルスの流行により、SNSが大切な人と連絡を取り合うためのライフラインとなっている。

一方で、そのSNSのシステムによって私たちの生活が密かにコントロールされているということについて考えたことはあるだろうか。これらのプラットフォームの運用方法についての理解が不足していることで、知らず知らずのうちに私たちの生活へ有害な影響がもたらされる可能性もある。

このドキュメンタリーは、非営利団体「Center of Humane Technology」を共同で創設した元Googleのデザイン倫理担当者のトリスタン・ハリスと、Facebookで「いいね」ボタンのデザインに関わったジャスティン・ローゼンスタイン、Pinterestの元CEOであるティム・ケンダルなど、主要なSNSや検索プラットフォームに携わった革新的なリーダーや内部告発者たちのインタビューから構成。

彼らはSNSが利用者に対して個人レベルで与える影響について明かし、それは各自の考え方や行動、生き方の変化にまで影響を及ぼすことを伝える。さらに、「フェイクニュースは本物のニュースより6倍速く広まる」とされるデマ情報の拡散、陰謀論、10代のメンタルヘルス、政治的見解の分極化など、SNSにまつわる問題の根本にある原因にも迫っている。

彼らのインタビューをまとめた予告編には、「オンライン上での全ての行動は、注意深く監視され、記録されている」「SNSに関わるエンジニアチームの仕事は、利用者に対して心理学を利用することだ」「Facebookは利用者が全く気付かないうちに現実の行動や感情へ影響を与えられることを発見した」「私は根本的に“世の中のためになる力”だと感じていたが、もはやわからなくなった」などという衝撃的な発言の数々が並んでいる。

世界をより良いものにするはずだったテクノロジーによって、人間社会にカオス、孤独、分極化、選挙の妨害、本当の問題への注目しづらさ……といった問題が生まれているのならば、SNSは人類の存続を脅かす存在だとも言えるのかもしれない。

注目のドキュメンタリー『監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影』は、Netflixで9月9日より独占配信開始。

TAGS