ESPNの人気スポーツ番組『First Take』で、マックス・ケラーマンとスティーブン・A・スミスが激しいディベートを繰り広げた。テーマは歴代で最も恐れられるボクサーは誰か。まずはスミスが仕掛ける。
「今日は何の日か覚えてる? 1988年にマイク・タイソンがトニー・タッブスにKO勝利し、勝敗を34勝0敗にした日さ。タイソンが史上最も恐れられたボクサーだと思う?」
アメリカ屈指のボクシングコメンテーターの一人として知られるマックス。彼がどんな答えを出すのか思わず息を呑む。
「その質問を少しだけ言い換えさせてくれ。タイソンは当時のボクシング、いや全アスリートを含めて、もっとも恐れられたファイターだったんだ。今を含めるのではなく、当時の話。若干20歳でトレバー・バービックをKOした試合は素晴らしかった。彼は相手にラウンドを与えることさえしなかったんだ。そして何より、相手の倒し方が普通じゃない。バービックに打ち込んだレフトフックは覚えてる? 3回立ち上がろうとしたけど、足がふらふらで無理だった。マービス・フレージャーに打ち込んだライトアッパーカットは覚えてる? とにかく相手をKOするシーンがショッキングで、人々の脳裏に残る。当時、タイソンが誰と戦おうとみんな彼の勝利を確信したんだ。なぜなら、タイソンが負ける姿を想像できる者が誰一人いなかったからさ」
時間制限がなければ永遠に話しそうな勢いだが、ここでスミスに出番を渡す。
「君のボクシング知識や見解が素晴らしいのは認めるよ。だけど僕はそうは思わない。ジョージ・フォアマンこそもっとも恐れられたボクサー。モハメド・アリに初めて勝った男、ジョー・フレージャーに2度も圧勝した。ケン・ノートンやロン・ライル戦は覚えてるか? 僕にとっては個人的な思い出もあるんだ。まだ子どもだったけど、父親がアリ戦を前に泣いてたんだ。何故かって? アリがリングで殺されるかと思ったからさ。KOじゃなく、殺されると思ったんだ。それぐらいフォアマンは激しく狂気的なボクサーなんだ。タイソンのスピードやフックの恐ろしさは理解できる。ただ、フォアマンの左右から繰り出すパンチのパワーとKO率を踏まえたら、もっとも恐ろしいボクサーはタイソンではなくフォアマン」
マックスもこれには納得の様子で言葉を選ぶ。
「いいポイントは捉えてるよ。選択肢はソニー・リストン、フォアマン、タイソンの3人なんだ。フォアマンは相手の頭がふっ飛んでいってしまいそうなパンチを打っていたし、相手はジョー・フレージャーやケン・ノートン。二人ともアリと同等に戦った強敵だし、君がフォアマンを選ぶのは十分理解できるよ。父親が泣いてたのだって、試合を見ていたほとんどが同じ感情だった。あの試合でフォアマンを破ったからこそアリは真のレジェンドになったんだ。ただ、一言言わせてくれ。フォアマンはフレージャーと試合をしたときにアンダードッグだった。タイソンはピークを過ぎてレノックス・ルイスと戦うまで、一度も負けるなんて思われなかった。君が間違っているとは言わないし、フォアマンの方が優れていたボクサーかもしれない。でも、当時最も恐れられたボクサーを選ぶならタイソンなんだ」
カムバックを果たし、20年ぶりに世界ヘビー級王者に返り咲いた経験があるフォアマン。アリに「タイソンとは戦うな」と忠告されたことがあるそうだ。それほどタイソンのスピードとパワーは厄介で、身の危険を感じたのだろう。タイソンとフォアマンは対戦することなく現役を終えたが、どんな対戦者であろうとリングに上がるときは二人のことは死ぬほど怖かったそう。リングで殺されてしまうかもしれないという恐怖心が共存したからこそ、二人はまるでモンスターのような恐ろしさが滲み出ていたのかもしれない。
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