30人以上の女性を惨殺した殺人鬼に殺されなかった、一人の女性が知る真実とは?

1970年代に少なくとも30人以上の女性を強姦の上殺害し、全米を震撼させた実在するシリアルキラーの半生を描いた映画『テッド・バンディ(原題:Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile)』がNetflixで公開されている。

そんな殺人鬼を演じるザック・エフロンの、『ハイスクール・ミュージカル』とは対照的な演技が光る本作品の魅力に迫る。

物語は、テッドの長年の恋人であったエリザベス(リズ)・クレプファーがバーで彼と初めて出会う場面の回想録から幕を開ける。出会った当日、彼を自分の家に招待するが、疲れ果てて寝てしまったリズが翌朝目にしたのは、テッドがキッチンでリズの娘に朝食を作っている姿だった。それまでシングルマザーと秘書の仕事の両立に追われていたリズは、そんな彼の魅力的な容姿と包容力にすっかり魅了されてしまう。順調に関係は発展し、とうとう彼と娘の3人で幸せな同居生活を始めたある日、テッドが連続殺人の容疑で逮捕された事で、それまでの日常は一変する。

これまでもテッド・バンディをモデルにした映画作品は数々制作されてきた。しかし、本作品が他と違うのは、テッドの恋人、リズの中につのる心理的恐怖に焦点を当てた演出にこだわった点だ。テッドに関するドキュメンタリーや伝記にも記されている通り、2人の激しい恋は彼が連続殺人の容疑で逮捕された後も続いたが、その裏で彼女が疑念を感じる様子を当時の報道と交互に映し出す事で、よりリアリティが増した作りとなっている。

また本作では主人公、テッド・バンディの描写も盛り込まれているが、終盤まで彼が周囲に見せていた外面的な挙動しか見せない事で、当時リズを含む全米の人々が感じていたテッドのカリスマ性を見事に演出したのもポイントだ。

本編中、ザック・エフロンが怪演するテッドはハンサムで頭脳明晰、360度どこから見てもごく普通の男性だ。『テッド・バンディ』が視聴者に伝えたいのは、身の回りには危険と恐怖がどこにでも潜んでいて不回避だということである。

©︎2018 Wicked Nevada, LLC

TAGS