押井守監督や攻殻機動隊に影響を受けた 韓国版“今そこにある危機”『PMC:ザ・バンカー』監督が語る

韓国映画界が、朝鮮半島情勢という今そこにある危機を題材に放つミリタリー・サバイバル・アクション大作『PMC:ザ・バンカー』。

主演には韓国映画界を代表する名優ハ・ジョンウ。メガホンを撮るのは、ハ・ジョンウとは「テロ,ライブ」以来二度目のタッグとなるキム・ビョンウ監督。「テロ,ライブ」では、リアルタイムで進行する予測不可能なプロットで絶賛を博したが、その手法を本作で大胆にアップグレード。地下バンカーでの熾烈なバトルを、P.O.V.やドローンの視点を取り入れた驚異的なカメラワークで描き、 “極限映像”のレベルを新次元に引き上げた。傭兵戦のスリルと臨場感を余すところなく描いたキム・ビョンウ監督に話を聞いた。

―「テロ,ライブ」から『PMC:ザ・バンカー』、5年の間により大きい存在になったハ・ジョンウさんですが、監督から見た俳優としての変化は何かありましたか?

5年間の間に・・・彼は老けましたね(笑)

いえ、何も変わりません。常に一生懸命に役に取り組んでくれます。彼はルックス的な素敵さよりも、演技で人々の目を釘付けにできるのが最大の魅力です。「テロ,ライブ」と『PMC:ザ・バンカー』の主人公をしっかり務めあげてくれました。

私の作品では伝わらないと思うのですが(笑)、普段の彼は冗談も言いますし、周りの人を笑わせてくれます。現場ではムードメーカーとして盛り上げてくれましたね。

―本作はハ・ジョンウさんのアイデアとお聞きしました。

はい。6、7年前に「テロ,ライブ」の撮影を終えた後に、2人で「また、一緒に映画を撮りたいね」と話していました。2人でどういうプロットが良いか?など色々な話をしていた所、彼が「トンネルでも洞窟でもいい。場所として地下。そこで何らかの軍事作戦が行われるというのはどうか?」とアイデアを出してきました。様々なアイデアの中でこのプロットが私に一番刺さりました。そこからストーリーなどを発展させていきました。

―グローバル軍事企業を扱ったのは韓国映画初との事ですが、何故取り上げたのですか?何かきっかけが?

当初、主人公には一般的な軍人も考えたのですが、正義感や同僚への愛、愛国心などがあると今回の映画にとっては表現が狭くなると考えました。そこで、「傭兵がいいんじゃないか?」と思い立ちました。傭兵はあくまで報酬のために動く人達です。キャラクターに幅を持たせるためには傭兵が良いだろうと思い立ちました。

―戦闘シーンが凄まじかったんですが、何か参考にした映像や従軍関係者のインタビューなどあったのですか?

ドキュメンタリーをはじめ、関連するであろう映像作品をできる限り集めて見ました。同時に実際に傭兵を諮問委員会で招集したり、戦場にいたという従軍記者から話を聞いたりしました。

―密室劇と切迫したリアルな展開を交差し描くのが天才的だと思うのですが、どういう点に一番気を使われますか?

全てに気を使いますね(笑)。
ただ、私が一番気を使うのは、俳優たちが最大限に演技ができる環境を作ってあげる事でしょうか。例えば、1シーンをロングテイクで撮ります。細かくカットなどはしません。常にカメラワークを3台回したりしますね。そのあたりは他の映画とは違うと思います。

―イ・ソンギュンさんは難しい役でしたが、一番何を期待してのキャスティングでしたか?

北朝鮮のエリート医師という特殊な役ですが、どういった人物なのか劇中でもシナリオでも説明できる隙のない役柄でした。しかも、突然登場しますよね?

実際に映画が進んでいく中で、どういう人物なのか?ということを観客に説明しなくてはならないという非常に難しい役です。そういった意味で彼は本当に適役でした。ハ・ジョンウさんと私も彼の演技は期待以上だと話しました。

監督として、ハ・ジョンウさんとイ・ソンギュンさんの2人とまたやってみたいと思いましたね。

―ハ・ジョンウさんとまた撮るなど、次回作の構想はありますか?

うーん・・・(笑)。今回は期間が空いてしまったので、(次回作は)早く撮りたいとは思っています。まだ内容は言えませんね(笑)。

―監督が好きな監督、俳優、作品など教えてください

その都度、毎年好きな映画が変わるのですが、影響を受けたのは押井守さんですね。最近では「カメラを止めるな」も面白いなと刺激を受けましたね。巨匠などが撮る映画も好きなのですが、私は変わったテイストの映画が好きですね。

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