“走り屋最強”から“不死身の兵士”へ ワイスピ製作陣が贈る、ヴィン・ディーゼル版「メメント」×「ターミネーター」

ヴィン・ディーゼル出演の最新SFアクション『ブラッドショット』が5月29日(金)からイオンシネマで公開。映画館が営業再開をしたところから順次ロードショーです。
ウィルス禍で映画興行がほとんど止まり新作公開もままならぬ中、そんな閉塞感をぶちやぶるべく本作がリリース。『ブラッドショット』は実はアメコミが原作。withコロナではありますが、日本の映画館の再起動をヴィン・ディーゼル兄貴演じるアメコミ・ヒーローが担ってくれるんです!

ソニー・ピクチャーズ 映画/YouTube

まずこの映画は、

・もしあなたがヴィン・ディーゼルのファンなら楽しめます。
・もしあなたがアメコミ・ヒーロー映画好きなら楽しめます。
・もしあなたが「トータル・リコール」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「メメント」「無限の住人」「ターミネーター」「ロボコップ」「ユニバーサル・ソルジャー」のいずれかが好きなら楽しめます(笑)

『ブラッドショット』は、科学の力でほぼ不死身の肉体を手に入れた兵士が活躍するスーパーアクションです。
もともとはヴァリアント・コミックス=Valiant Comicsという出版社のキャラ。ヴァリアントはマーベル、DC、ダークホース(ヘルボーイとかマスク)ほど日本ではメジャーではありませんが、スーパーヒーロー物のコミックを出しており、これらのヒーロー物は1つの世界観を有しています。つまりヴァリアント・バースですね。(なお日本では「クァンタム-ウッディ-世界最悪のスーパーヒーロー」が翻訳出版されています)

“ブラッドショット”は1992年にコミックでデビュー。元々はヴァリアント・コミックの他のヒーロー物に登場し、そして独立したコミックに。ある政府の秘密組織が作り上げた、超人兵士。体に最新のナノマシーン(ものすごく小さい、超ミクロ・メカ群体)を注入されており、これにより肉体の破損を瞬時に修復できるし、また肉体を自由に変えることが出来て別人に擬態できる。組織の命をうけ危険な任務を遂行しますが、彼はミッションごとに記憶を書き換えられるのです。そうすることで“そのミッションが元々自分となんらかの因果関係があるか”のように植えつけられるので、よりその任務に没入するわけです。

“ブラッドショット”という言葉は直訳すると“血の一撃”だから、主人公の任務のバイオレンスぶりを示唆していますが、充血というような意味があります。実際、この主人公は任務の時に目が赤くなる。またコミックのブラッドショットは、白いボディに胸の部分に赤丸が現れるので全体的に“日の丸”を思い起こさせるデザイン。もともとブラッドショットはレイという日本のヒーローとつながりがあるし、ライジング・スピリット=日の出計画という名前のプロジェクトから生まれたので、日本的ではあるんですよね。

映画はこのコミックをベースに殺されたすご腕の兵士レイモンド・ギャリソンが超人ブラッドショットとして蘇り活躍します。ここまで書くとよくあるSFアクションですが、原作コミックの肝である“ミッションごとに記憶が書き換えられる”という設定を活かし、主人公が一体真実はなんなのか?を追求していくサスペンスフルなストーリーになっています。キャラはヴィン・ディーゼル版ターミネーター、物語的には「トータル・リコール」的です。(先ほど「あなたが…のいずかれかが好きなら楽しめます」といくつかの映画名をあげたのは、こうした映画の路線だからです)

特にこの映画の製作陣は「メメント」を意識したようで、「メメント」の主役のガイ・ピアースも重要な役割で出演しています。前半は潜入ミリタリー・アクション、クライマックスは、これぞアメコミ・ヒーロー映画!ともいうべき異形のヴィランと超人化したヴィン・ディーゼルの超高速・高層エレベーターを使ったスーパーバトルとなります。

コミック同様、ちゃんとヴィン・ディーゼルの目は赤く光るし、胸の部分が丸く赤く光る。彼の体内の中をかけるナノ・マシーン=ナナイトは本当に蟲のようで、即座に肉体の破損を修正!これがもし発明されればコロナ・ウィルスなんてやっつけてくれるだろうなと思いました(笑)

ヴィン・ディーゼルの無双ぶりを楽しむポップコーン・ムービーです。お近くの劇場が再開したらぜひこの新ヒーローの応援に行ってあげてください。

文・杉山すぴ豊

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