約1億4000万円の保釈金 2Pacを刑務所から出すために裏で動いた男

元NBA選手のマット・バーンズとスティーブン・ジャクソンがホストを務めるポッドキャスト番組『ALL THE SMOKE』にスヌープ・ドッグが出演。90年代初頭のデス・ロウ・レコード時代を振り返り、創設者の1人シュグ・ナイトや、当時レーベルメイトだった2パックとの出会いを語った。

SHOWTIME Basketball/YouTube

まずシュグについて「“男”であることを示してくれた。売春上がりだろうが、チンピラだろうが、保証も何も無いこの業界で、サム・クックやジェームス・ブラウンといった、偉大な先人たちがそうしてきたように、自分の愛する音楽を守ることを教えてくれた」と、感謝と賛辞を送っている。

そしてヒップホップ界のレジェンド、2パックと初めて出会った日を思い返した。

「オレと2パックの出会いはデス・ロウよりも前だな。むしろオレたちの出会いがきっかけでデス・ロウができたんだ。映画『ポエティック・ジャスティス/愛するということ』(1993年)のパーティだったんだけど、DJセットやらいろいろあって、ジャネット・ジャクソンだとか出演者みんながいてさ。そこで司会をやってた旧友のリッキー・ハリスが“ようようイトコのスヌープが来てるんだ!”とか言って、オレを紹介し始めたんだよ。そしたらそこに居合わせたパックがいきなりマイクを奪い取ってラップしだしやがった(笑)。おいおいニガー! 今はオレの紹介なんだぜ? って感じでさ。しょうがないからオレも奴からマイクを奪い取ってラップし返したんだよ。そしたら今度は奴がオレからマイクを奪ってまたラップする、っていう。マイク1本を2人で使いまわしてさ、片方が終わるまでお行儀よく待って、終わったら力づくで奪い返して(笑)。そんなことを4、5回繰り返して終わったんだ」

そんな火花を散らすバトルの後、2パックはスヌープにブラント(マリファナ)を回し、共通の友人を介して電話番号を交換した。

「なんだかんだ1ヶ月くらいたって、ようやく奴に電話をかけたんだ。その時オレは家に仲間をたくさん呼んでパーティしててさ。“エビフライパーティしてんだけど、なにやってんの?”つって。衣だらけの手でさ(笑)。奴はカジノにいたみたいで。そしたら、“オレが出た映画観た?”っていうんだよ。“なんだお前映画出てんのか? 観たい観たい”つって。そしたら馬鹿でかいレーザーディスク送ってきやがった。当時はこーんなでっかいLDだぜ。とにかくそれ観たわけよ」

映画『ジュース』(1992年)を観たスヌープは、すぐに2パックに「ゾッコンになった」という。「奴の音楽も聴いたし、つるみまくったし、とにかくべったりになってさ」。

その後、2パックはレイプ疑惑で懲役4年半の判決を受けるが、刑務所内でデス・ロウ・レコードと契約、服役9ヶ月目で保釈される。シュグ・ナイトが保釈金の140万ドルを用立てたのだが、そのことを提言して説得したのが他でもないスヌープだった。

「オレたちのチームには奴のスピリットが必要だった」
「すげえ仲間がチームにいるってことが、オレたちを前進させるんだ」

その死から21年が経過した2017年に、2パックがロックの殿堂入りを果たした際、代わりに授賞式に出席したのはスヌープだった。彼らしい軽妙かつ感動的なスピーチは、親友への深い愛が満ち、すべてのヒップホップ・ファンの感動を呼んだことは、まだ記憶に新しい。

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