1990~2000年代のNBAを席巻したシャキール・オニール。216cm147kgという体格から生み出される圧倒的なパワーに加え、垂直跳び80cmの運動能力、そして時には自軍から相手ゴールまでドリブルで攻め込むスキルを兼ね備えた、NBA史上でも屈指のアンストッパブルな存在だった。
そんな彼がNBAで最も輝いていたのは2000年代のロサンゼルス・レイカーズ時代。同じく時代を代表するスーパースターであるコービー・ブライアントとコンビを組んでいた。しかし、当時の2人の仲は決して良くなかった。最大の原因は、2人が思い描く“勝つための道”が違ったことだ。「別に、とても親しい仲である必要はない。私達は勝つしかないんだ。他に選択肢はない」とシャックが言うように、2人はそれぞれのやり方でNBA制覇を目指していた。
そして、コンビを組んで4年目の1999-2000シーズン、初めてNBAチャンピオンの座が見えてきた。レギュラーシーズンでは圧倒的な強さを見せつけ、プレイオフも順調に勝ち上がる。そして、地区決勝の相手は元シカゴ・ブルズのスコッティ・ピッペンらを擁するポートランド・トレイルブレイザーズだった。
「3勝1敗であとひとつ勝てばNBAファイナル。そんな状況におごってしまって、気持ちを緩めてしまったんだ」。無敵だったレイカーズとシャックにも隙があったのだ。「あの時のポートランドは最もタフなチームで、唯一私達を恐れていないチームだった。実は弱気になっていたんだけど、ゲームに出てリーダーとしてしっかりとプレイしなければならなかった。しかし、今までNBAを支配していたはずの“シャック”のプレイが全くできなかったんだ」
そして、3勝1敗でリードしていた状態から2連敗。シリーズは最終第7戦までもつれ込んでしまった。しかも、この大事な試合でもシャックは調子が出ない。「今日は“シャキール・オニール”がいないようです。ホームの観衆も意気消沈しています」と解説が言うほどの状態だった。
「もしこのシリーズに敗退したら、私は戦犯にされただろう。そうなっていたら、すぐにどこかにいなくなっていたと思うよ。勝てなかったらそれで終わりだ。コービーvsシャックの確執が浮き彫りになり、私はみんなを失望させる」と語るほど、追い込まれていたのだ。
第4Qに入り、いつものターンからのフックショットが決まったシャック。それで心が落ち着いたのか、「俺がガラ空きだ!」とコービーに声をかけた。そして、最後のプレイ。シャックはコービーに任せようと思っていた。コービーはシャックの思い通り、マッチアップのピッペンを華麗に抜き去りリングに向かう。そこで思わず、シャックは手を挙げてアリウープパスを要求した。
こうして、コービーからシャックへのホットラインで、試合を決定づけるアリウープが決まった。同時に、このシリーズの行方を決める一撃だった。
「それは決定的な瞬間だった。私達が支配する時代の幕開けになり、同時に偉大な3連覇の始まりとなった。そこから私達が歴史上で最も話題性があり、最も支配的で、最もエネルギーに溢れたワンツーパンチとなったんだ。俺たちはそれぞれのやり方と強い信念を持ってプレイした。それが俺とコービーという関係なんだ」
この年に初優勝を飾り、そこからジョーダン&ピッペン以来となる3連覇を果たしたシャック&コービー。現役当時は分かり合えなかったが、その後はお互いの偉大さに気付き、無事に和解した2人。信念こそ違えど、紛れもなくNBA史上最高のコンビだったと言えるだろう。
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