パルプ・フィクション、キル・ビル…タランティーノ作品「カッコいいオープニング」BEST5

レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットら豪華キャストが出演し話題となっているクエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が8月30日(金)より大ヒット公開中。そこで、歴代タランティーノ作品の中から、カッコいいオープニングを選出した。

『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007年)

2007年に公開された2本立て映画『グラインドハウス』のうち、タランティーノが監督をつとめた『デス・プルーフ』に映像を加える形で公開された同映画。彼がこよなく愛する70~80年代にかけて制作された低予算のB級映画をオマージュする形で作られたとあって、こうした作品の要素がふんだんにちりばめられていることでも話題となった。

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オープニング映像にもそうした点が非常によく表れており、ジャック・ニッチェが1964年に発表した知る人ぞ知る名曲「The Last Race」に合わせて、ノイズエフェクトがかけられた映像、今の時代では考えられないような間延びした雰囲気を醸すカートゥーン、車のダッシュボードに投げ出された(おそらく)美女の脚、けたたましいエンジン音、意味があるのかないのかわからないながらも自然と“それっぽい感じ”を醸し出す車窓からの景色……。

それこそ一歩間違えれば本物のB級作品と見紛うような独特な演出手法を取り入れている点が実に印象的。こうした、ある意味“当時に忠実な要素”を21世紀でものの見事に再現してしまうところも、タランティーノたる所以であるといえそうだ。

『ジャッキー・ブラウン』(1997年)

エルモア・レナードの小説『ラム・パンチ』(1992年)を元にパム・グリア演じるスチュワーデスのジャッキーが、表の仕事とは別に“裏稼業”の武器の運び屋として暗躍する犯罪サスペンス映画。

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オープニングでは、動く歩道を進むジャッキーの姿にはじまり、手荷物検査のX線映像、出発ロビーでの喧噪といった具合に、実際に搭乗するまでのジャッキーの姿を中心に描かれているのが印象に残る。

ちなみに、映像の背後で流れるBGMはボビー・ウーマックの「110番街交差点」。その名が示すとおり、同曲は映画『110番街交差点』(1972年)で使用されていた名曲。こうした楽曲のチョイスにも、タランティーノらしさを垣間見ることができるのが嬉しい。

『キル・ビル Vol.1』(2003年)

その実質的な後編である『Vol.2』を含め、舞台となっている日本・香港・台湾へのオマージュがふんだんに散りばめられていることで知られている復讐劇の要素が強いハードバイオレンスアクション映画。そうした要素は作品本編のなかでも随所に確認できるが、それとはまたひと味違った雰囲気を醸し出しているのがこのオープニングだ。

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暗闇の中で聞こえてくるのはユマ・サーマン演じる女殺し屋のザ・ブライドの息遣い、そこに迫る男の足音、壮絶なリンチの末に瀕死の重体へと追い込まれた彼女に、声をかけつつ血まみれとなった彼女の顔を自身のハンカチで拭うラスボス、ビル。

この緊迫したシーンの後にクレジットとともに流れるのは、フランク・シナトラの愛娘として知られるナンシー・シナトラが物憂げに歌う「バン・バン」。復讐劇ならではのどこか沈鬱な雰囲気を、物の見事に醸し出している映像といえるだろう。

『パルプ・フィクション』(1994年)

アカデミー賞では7部門にノミネートされるほどの話題となった同映画は、そのオープニングでは本編とは繋がりがなさそうなシーンが展開され、そこからクレジットへと突入するという演出がなされている。

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道路脇にあるダイナーで、語りあう2人のチンピラ風男女、パンプキン&ハニー・バニー。強盗の話で盛り上がった彼らは、その場でいきなり銃を抜いてダイナー襲撃を決行。その直後、彼らが店内の人々に向かって怒声をあげたところでこのシーンは終わるのだが、それと入れ替わりでテロップと共に流れ出すのが、往年の名ギタリストとして知られるディック・デイルが率いる“ディック・デイル&ヒズ・デルトーンズ”の「ミザルー」。
後年公開されたリュック・ベッソン製作の『TAXi』(1997年)でも使用されている同曲と、特徴的なテロップによる視覚的効果は『パルプ・フィクション』を多くのファンに印象付けることとなった。

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『レザボア・ドッグス』(1991年)

タランティーノが監督・脚本・出演の三役を務めたクライム映画。当時まだ28歳だった彼が初めて監督をつとめた作品としても有名だ。オープニングでは、レストランの席から次々と立ち上がった男たちが、店の外へ出て歩き出す姿を写し、そこにクレジットをかぶせるという演出をとっている。

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その背後で流れているのが、ジョージ・ベイカー・セレクションが1969年にリリースしたデビュー曲「リトル・グリーンバッグ」。タランティーノならではの演出とあいまって、「これから映画が始まる!」という期待観を膨らませてくれる。この後に続くタランティーノ作品の源流を感じることができるオープニングといえるだろう。
ちなみに「リトル・グリーンバッグ」はこの映画の鮮烈なイメージからか、後年、日本のテレビCMなどでも相次いで採用され、なじみの深い一曲となった。

このように、実に様々な演出手法と卓越した選曲センスで、多くの映画ファンを魅了し続けているクエンティン・タランティーノ。最新作である『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でも、そうした彼ならではのエッセンスを思う存分、堪能したいところだ。

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