ゴール下を制するより3Pシュートを打つ時代 ユーイング、長身センターの変化を語る

バスケットボールの試合で重要な役割を果たす“ビッグマン”。センターやパワーフォワードのポジションを担当し、その大きな身体を活かしてポストプレイやリバウンドなど、ゴール下でのパワフルなプレイが求められる。それゆえにチームの中で最も身長が高く、力強い選手が担うことが多い。NBAレジェンドのパトリック・ユーイングも213センチという長身を活かし、当時リーグを代表するセンターとして活躍した1人だ。

ただ、近年のNBAでは、スペーシングを意識してハイペースで機動力の高いスモールボールがスタイルの主流になってきている。それに伴い、センターポジションのレベルが衰退しているなどと嘆かれることもあるが、レジェンドはどう見ているのだろうか。

NBA on ESPN/YouTube

まずユーイングは、現役選手の中からジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)とクリスタプス・ポルジンギス(ダラス・マーベリックス)の名を挙げて、「自分が現役だった頃と比べると、NBAは変化している。俺の時代はゴール下での働きが求められていたけど、今じゃ長身のセンターも3Pシュートを狙う時代になった」と切り出した。

またオーランド・マジック、シャーロット・ホーネッツなど、NBAでのコーチ経験を経て、現在名門ジョージ・ワシントン大学でヘッドコーチを務めるユーイングは、「これは興味深いし、皮肉でもあるんだけど、センターのほとんどがコートを走り回ったり、ロングシュートを打ってみたりして、自分のスキルの高さを見せたがるんだ。かと思うと、ポイントガードはポスト下で得点にからもうとする。本来それはセンターの役割なんだがね」と自身の気づきを披露し、現状を嘆いた。

しかし、再度エンビードを例に出して、「彼は場面に応じてベストな役割をこなす。ポストエリアでの役割を果たした上で、動き回るし3Pも打つ」と、進化したセンターの好例だと評価している。
すなわち、ユーイングは単に大型のセンターが3Pシュートを打ったり、ポスト下以外で動き回ることを否定しているわけではないようだ。「試合の流れを読んで、何をするべきか理解すること。もちろん3Pを狙うのも構わないが、ポスト下での役割を果たしディフェンダーを圧倒する方がよっぽど得点につながるチャンスは高い」と、大型選手のアドバンテージを最大限に活かすことが大切だと説いている。

そして関わる選手には「何通りもの動きやトリックができる必要はない。1つでも自分にしかできない動きがあればいいんだ。それが自分の財産になる」とアドバイスをしているそうだ。では、ユーイング自身の“オンリーワン”は何かと問われると、「ブロックエリアでのターンアラウンド・ショット」と答えている。

NBAで起こっている詳細なデータ分析を重視するアナリティクス革命にも言及しつつ、自身のコーチングスタイルについては、「バスケットボールを数字で分解、分析することは今や試合の一部だが、自分がコーチに当たる際には、目で見て感じた感覚をより大事にしている」とした。

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