家政婦の欠点、臭い虫の意味…『パラサイト 半地下の家族』に隠された伏線

仏カンヌ国際映画際パルムドールに続き、米アカデミー賞では作品賞など4冠を獲得した映画『パラサイト 半地下の家族』。2大映画イベントにおいてダブル受賞を達成した作品は64年ぶりであり、非英語圏の映画としては初となる快挙だった。

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偉業を成し遂げた『パラサイト 半地下の家族』の劇中で「どうして気づかなかったんだろう!」と叫びたくなる、そしてこのポン・ジュノ監督作品が用意した伏線を紹介。

・貧富の差をわける明確な境界線
映画冒頭で半地下家族の長男、キム・ギウが家庭教師としてパク家を訪問するシーン。中庭でうたた寝をしていたパク家の妻(ヨンギョ)と、家政婦(ムングァン)、それを見下ろすギウの間には窓の交差線がある。ポン・ジュノ監督いわく、これは彼らを分ける格差を演出したもの。

・書斎に並ぶ“あの巨匠”の作品
パク家の書斎を写したシーンでは、アルフレッド・ヒッチコックの映画コレクションが並んでいる。これは『パラサイト』がヒッチコックの作品からインスピレーションを受けているからだそう。

・家政婦の欠点にまつわる意外な真相
ムングァンを解雇した後、パク家の主人、ドンイクが「彼女の唯一の欠点は2人前食べてしまうことだった」と漏らす場面が。この後、この家政婦が地下に夫をかくまっていたことがバレ、「2人前」の意味が恐ろしい形で露呈する。

・延世大学校について
ギウの妹、ギジョンが兄のために延世大学校の在学証明書を偽造するシーンがあるが、実はポン・ジュノ監督も延世大学校の出身で社会学を先行していた。

・生活レベルの変化がビールでわかる
半地下家族・キム家の家族団欒シーン。映画序盤では韓国で一番安いと言われる発泡酒、FiLiteを飲んでいるが、キム家の兄妹が家庭教師としてパク家に雇われた後では、経済的に安定したことで値段の高いサッポロ プレミアムに変わっている。

・ギテクとグンセは同じ事業で失敗していた
ギテクが「台湾カステラの事業で失敗した」という過去について言及するシーン。映画後半で分かる通り、パク家の地下室に隠れていたグンセも同じ事業に失敗して、多大な借金を負っていたと告白している。

・物語が動き出すきっかけとなる“山水景石”
大雨でキム家の半地下宅が浸水した翌朝の場面。携帯をチェックしているギウの手には、昨夜必死に抱きしめていた山水景石の跡がくっきりとついている。

・どこかで見たインディアンの羽飾り
ダソンが自分の部屋でギジョンの膝に座って絵を描くシーン。場面の左端にはインディアンの羽飾りが2つ飾られている。これは映画のラスト、誕生日会でギテクとドンイクが被っているものと同一。

・臭い虫が示唆するもの
映画冒頭、ギテクが自身の家に入ってきた臭い虫をテーブルから払い除けるシーンが。しかし映画後半では、彼自身がパク家から臭い虫のように見られている。

・物語を動かすキーマンの存在
ギウの友人、ミニョクはキム家を訪問する場面で、山水景石を渡すチュンスクに向かって「食べ物が良かった」とぼやく。映画のクライマックスでも、ギウがこの石をグンセのいる地下室に持っていったことで、まさかの展開に巻き込まれてしまう。まさに石ではなく「食べ物が良かった」という結末だ。余談だが、ミニョクを演じるパク・ソジュンは、『梨泰院クラス』の主役パク・セロイとして日本でもすっかりおなじみの存在になった。

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