“久米地獄 vs 黒さは強さ” 気合と魂に技術と世代闘争が絡んだ極上ジャパニーズMMA

顔を腫らし、血を流し、世代と時代をかけて闘う女神達の闘争はなぜこんなに美しいのか?相性最悪の女帝・浜崎朱加に対してあと一歩まで迫った浅倉カンナ。いや、浜崎朱加があと一歩で踏みとどまったのかもしれない。

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兎に角、2年前と内容は打って変わりギリギリの攻防で接戦中の接戦だった。アームロックが完全に入ったかの様に見えたが防ぎ切った浅倉カンナは確実に進化していた。ただ序盤の浜崎の打撃での気迫も凄まじく打撃で秒殺するんじゃないかと言うくらいの鬼連打だった。

ジョシカク版友近vsゆりやんに相応しい女の意地をかけた戦いだった。

確実にジョシカク史に残る名勝負…ただ水を差したく無いが…浅倉カンナは未来の為にギリギリの勝負を勝ち切って欲しかった。
ジョシカクの未来の為に…日本MMAの未来の為に…浜崎は偉大で強いからこそチャンスはそうない。良い試合だったと言う慰めは嫌と言うほど聞いているし満足もしてないだろう。

あと一発でもパンチが当たり効かせられていたら歴史は変わっていた。その一発を当てさせないのが女帝の底力だ。そしてあと一発当てられないのがまだまだ未完成の浅倉カンナの未熟さなのかもしれない。今年のジョシカクの流れがどうなるか全くわからないが浅倉カンナの今後に期待するからこそ感動的な試合内容を後日冷静に虎の穴であるパラエストラ千葉で分析して次の戦いに繋げて欲しい。女神同士の関ヶ原はメインに相応しい素晴らしい戦いだった。

そして素晴らしい戦い尽くめだった2021年RIZIN始めの「RIZIN.27」名古屋大会。大会ベストバウトは久米鷹介vs武田光司だ。
五味、マッハ、青木、川尻らが作り上げた日本ライト級黄金時代からしたら今は人材不足、スター不足のロストジェネレーションかもしれない。ミーハーからしたら地味と言われかねないマニア向けのこの試合は、気合と魂に技術と世代闘争まで絡んだ極上のジャパニーズMMAだった。

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老いて尚、元気でキャリア集大成を飾りたい久米の無尽蔵のスタミナを駆使したステップワークからの止まらない強打のコンビネーション、通称「久米地獄」は健在でこの日も武田を大いに苦しめて顔面を鮮血で染めさせた。
レスリング時代からの先輩後輩からの情報だと武田はそのセクシー男優の様な見た目に相反して気が弱くチキンな所があるらしい。

高校5冠のレスリングエリートでMMAにおいても国内ライト級屈指のレスリングテクを持ちながらいまいち覚醒が遅れたのもその性格の為だったかもしれないが、この日は国内最強と言われる久米相手に完全に吹っ切れて「黒さは強さ」のポテンシャルをすこぶる見せつけた。

久米の強打に一歩も引かず逆に打撃でダウンを奪ったり、セコンドの声をよく聞き冷静と情熱のあいだでバランス良く戦い、自ら声を出し鼓舞しながら戦う姿は観客を感動させて3Rに放ったジャーマンも加点され見事にパンクラスvsDEEPの王者対決を大激闘の末、制してみせた。

この試合がパンクラス酒井代表とDEEP佐伯代表のライバル関係をシリアスかつコミカルに描いた格闘技ファン眉唾物の煽りVも含めて大会ベストバウトだろう。PRIDE時代からそうだが、佐藤大輔映像は日本の格闘技にとって欠かせない存在だと改めて思わされた。
世界的に見れば化け物揃いのライト級で日本人が活躍するのは難しい時代かもしれないが今できる日本最高峰のライト級の戦いを乗り越えた武田の覚醒とロスジェネの逆襲に期待したい。

そしてスダリオは才能あるんだからエンセンの良い部分だけ見習って欲しい。良くも悪くも似た者同士の師弟関係でエンセンがスダリオに一からMMAを付きっきりで教えて順調に成長しているのにこんなことを繰り返しては大相撲時代と同じ結末になってしまう。

最初、スダリオがキレていたがいつのまにかエンセンが大ギレしてスダリオが止めていたのはそういうエンセンの教育なのか?(笑)と思ったがやはりよくないものはよくない。なかなか釣り合う相手がいないので大変だがロッキー・マルティネス辺りがいたら面白かったんだがなぁ…

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もう対プロレスラー路線はやめて欲しい。格闘技で走る戦慄じゃなくて監視カメラで事件現場を見た戦慄だった。素晴らしい大会だっただけに残念だ。危ないし反省するべき。皆がスダリオに期待しているんだから裏切ってはいけない。

最後に格オタ期待の超新星・堀江圭功が昨今の調子を落としていた流れをRIZIN初戦で払拭する3RKO勝利でフェザー級トーナメントの台風の目になってくれると大いに期待させてくれた。

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25歳の超爽やかイケメンで性格も良い堀江はRIZINギャル達がほっておかないだろう。彼氏の付き合いか客との同伴で来ていたであろう格闘技会場リングサイド名物でもある”格闘技に興味ない無理矢理連れてこられてる派手な女達”が堀江の試合だけ師匠である高阪剛と同じ眼差しで食い入る様に見ていた(笑)

試合序盤は少々力みがちで右オーバーハンドを打ち過ぎて読まれた所はあるが自然体でズバッと伸びてくる伝統派空手の特性を活かした最後の右ストレートは堀江の新たな武器になる。
右オーバーハンドと右ストレートの打ち分けを磨けば更にKOを量産できると感じた堀江の勝利でRIZINフェザー級グランプリが俄然楽しみになってきた。

正直どの組み合わせでも面白い。斎藤裕vs堀江、萩原vs堀江、ドミネーターvs堀江、勝ち上がれば朝倉未来との同志対決も勿論あり得る。平本蓮vs堀江圭功なんてのも面白い。

兎に角、RIZIN.27が素晴らしい大会だったので今年のRIZINは面白くなるぞ!!!

次の大会も要チェックだがや♡

御後が宜しいようで。

文・鬼越トマホーク・坂井良多

sakai
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