ブラジルの喧嘩屋vs最強苦労人グラップラー “労働者の星”として生き残る寝技王はどっちだ?

憎きコロナによりバラちゃんの悲願であった3月14日RIZIN東京ドーム大会が延期になってしまい、2021年RIZIN第一弾は3月21日RIZIN.27名古屋大会に変更を余儀なくされた。

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(けっ、地方大会かよ)

心の中で不謹慎にもそう呟いた格オタ諸君…恥を知れ!RIZINがどれほど苦労してここまで辿り着いたか!コロナ禍だぞ!開催者の気持ちを考えて物を言え!しかも今や東海地方の選手が日本の格闘技を支えているのだ!名古屋大会は必然だろ!
一切鍛えもせず、だるんだるんの腹で格闘技観戦に来てはひねくれた事ばかり言いやがって!PRIDE崩壊からの空白の10年を忘れたのか?もっとRIZINに感謝しろ!

…榊原代表、キモい格オタどもに説教しときました!報酬はいつもの口座にm(_ _)m

…というくだらないジョークはさておき、このRIZIN名古屋大会を単なる地方大会だと思っていると痛い目を見る。今年のRIZINの流れを決める究極の火の粉、火種が無数に散りばめられた大会でありマニア垂涎は勿論の事こと、大晦日からファンになったRIZIN初心者達もぜひ名古屋大会からガッツリ見て今年もRIZINにドップリ浸かろう。

まず敢えてメインの浜崎朱加vs浅倉カンナを語るのは後回しにする。なぜかと言えば失礼だがメインはほっといても注目される。裏メインから語るのが筋だ。なぜか?

RIZIN.27名古屋大会自体が”裏メインの様な大会”だからだ。

大晦日や予定されている東京ドーム大会がRIZINのメインだとしたら完全にRIZIN名古屋大会は裏メインだ。だからこそ面白いし注目しなければならない。去年の大晦日の裏メインの刺青血戦も地上波に乗らずとも盛り上がっただろ?

今回の裏メインは個人的に圧倒的に「クレベル・コイケvs摩嶋一整」だ。これは正直、残酷であり名古屋大会には”モッタイナイ”ほどのマッチメイクだ。もし今年、RIZINフェザー級グランプリを開催した場合この試合が決勝戦でも全くおかしくない。両者の実力はそれほど高次元だ。今やRIZIN表の顔役が堀口恭司、那須川天心、朝倉兄弟だとすると裏の顔役は”日系ブラジル最強寝技集団”ボンサイ柔術だろう。

サトシ、マルコス、そして第3の男にしてMMAファイターとしての実績、完成度は現ボンサイ柔術一のクレベル・コイケ。フェザー級グランプリ開催が囁かれる中、斎藤裕や朝倉未来と並び関係者の評価では大本命とされる”柔術界の鬼神”。RIZINフェザー級のデミアン・マイア的柔術マスターがクレベル・コイケだ。
ポーランド最大のMMA団体KSWの元フェザー級王者でKSWは昨今、”地球外生命体”イズラエル・アデサニヤに初黒星をつけた現UFCライトヘビー級王者ヤン・ブラホヴィッチも輩出した非常にレベルの高い団体だ。

クレベル最大の魅力はサトシとマルコスという家族同然のボンサイ柔術の仲間達と鍛錬した流れる様な美しい柔術と一発の極め力、そして無作法ながら威力ある打撃と打たれ強さと圧倒的スタミナだろう。

美しい柔術力に目がいきがちだがMMAはある意味、柔術より野蛮なスポーツなのでそれだけでは勝てない。クレベルはKO負けが一つもないしスタミナが無限にあるのでMMAの経験が浅く対応しきれない部分があるサトシとマルコスのソウザ兄弟の弱点を一足先に補ったボンサイ柔術MMA部門の現トップといっていい。

打撃も打ち方は上手いと全く言えないのだが独特の軌道で威力は充分だ。カイル・アグォン戦でも右フックを効かせてからダースチョークで絞め落としてみせた。

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そしてクレベル・コイケは見た目的に寡黙で勤勉なデミアン・マイアタイプのインテリ柔術家の類いに見えるが人を見た目で判断してはいけないとはこの事で実はストリートファイトに明け暮れていた喧嘩好きの輩タイプのヤンチャ柔術家らしい。
見た目はデミアン・マイアだが中身はハイアン・グレイシーとの事(笑)つまり斎藤裕の様な求道者タイプではなく朝倉未来や萩原京平の様な不良が格闘技で更生したタイプのブラジリアンアウトサイダーだ。

そしてソウザ兄弟を”ボンサイ”柔術の御曹司で柔術の天才とするならクレベル・コイケは雑草で努力で成り上がってきた”凡才”だ。
凡才の叩き上げ故に負けん気と精神力が非常に強く、仲間をなにより大切にしているので敗北は自分だけの問題ではない。だからクレベルは責任感があり強いのだ。勝利の際も仲間と涙を流して喜びを分かち合う姿は異国で生き抜く全ての日系ブラジル人の誇りであり勇気を与えている。

今でこそRIZIN最強の寝技集団となったボンサイ柔術だが昔はソウザ兄弟とクレベル・コイケの3人で6万円のアパートに同居しながら貧乏生活を送っていたらしい。工場勤めや現場の土木工事やクラブのセキュリティをやりながらギリギリで柔術を続けてきた。その時のハングリーさがボンサイ柔術の最大の強みなのかもしれない。

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対するフェザー級日本最強の寝技師にして山口県在住で練習環境が整ってない中で”奇跡のグラップラー”と言われる不遇の男…。

「摩嶋一整」

斎藤裕戦の敗北の印象が濃過ぎるが元々は恐るべき寝技の強さ故に朝倉未来最大のライバルになりうる男だった。朝倉未来戦で斎藤裕の組みの強さと体力は証明されたがその斎藤裕を体力筋力フルMAXの1R序盤から組み伏せてグラウンドでコントロールし続けたのが摩嶋一整だ。フェザー級の日本人の中でグラップラーとして頭一つ抜けている。
斎藤裕戦もタラレバはファイターに失礼だが、2Rの不用意なタックルがなければグラウンドで摩嶋一整が勝っていたかもしれない。そんな超実力者でありながら摩嶋一整はRIZINにおいて不遇だ。現チャンピオンである斎藤裕戦の後に裏ボスであるクレベル・コイケと…

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しかもフェザー級グランプリ本戦ではないまさかの生き残りマッチ…

「最強の寝技師なんて1人でいい」それがRIZINが出した答えなのだろう。

失礼だがそんな苦労や不遇が摩嶋一整にはよく似合う。格闘家の兼業といえばYouTuberになった昨今、摩嶋は山口県に住みながら昼は溶接工としてフルタイムで働きながら家族を養い、空いた時間に格闘技の練習をする無口で寡黙な仕事人だ。「自分…不器用ですから」と今にも言い出しそうな高倉健の哀愁を持ち合わせるクワイエットマンだ。

いくら日本最強のグラップラーとはいえフェザー級において世界的グラップラーとされるクレベル・コイケには分が悪いとされ今回はクレベル有利の声が強い。

摩嶋も2連敗したら評価も落ちるし、RIZIN2戦目にして早々に崖っぷちの勝負を強いられる。しかし、いくら柔術界の鬼神と言われるクレベルでも摩嶋一整が簡単に極めさせるとは思えないし勝負はやってみないとわからない。
しかし、クレベルが摩嶋一整を簡単に極めてしまう様なら正式にRIZINフェザー級グランプリ大本命に就任する。

浜松のクレベルか?山口の摩嶋か?

地方を拠点に限られた環境で研鑽を重ねる住みます芸人ならぬ”住みます格闘家”2人によるフェザー級最強のブルーカラーグラップラー決定戦。

労働者の星として生き残る寝技王はどっちだ?

ストライカー優勢の現代MMAに一石を投じる天下分け目のRIZINが誇る極人(きめんちゅ)達の一夜の祭り。動のクレベル、静の摩嶋。今後のフェザー級を占う究極の一戦。

RIZIN.27名古屋大会完全裏メイン、要チェックだがや!

お後が宜しいようで。

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PS
その他の注目マッチの煽りも書けたら書くだがや!

文・鬼越トマホーク・坂井良多

sakai
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