一流の寝技とイケイケの打撃“柔術界のEXIT”が、史上最強の塩レスラーに挑む

格闘技用語としての”塩”(しょっぱい)
元々は塩が撒かれる土俵に這ってばかりいる力士、すなわち「弱い」ことを指す言葉だった。 これが転じてプロレスで見栄えのしない試合やマイクパフォーマンスがつまらないレスラーを指す言葉として使われるようになり、 見ていてつまらないレスラーを「塩レスラー」などと揶揄することもある。

ただ現代MMAに置いては弱いというよりもむしろ強過ぎるが試合が面白くない選手を「塩」と表現する事が昨今の通例だ。主に組技の選手で判定勝ちが多い選手に使われ、組技を駆使して終始抑え込んで判定で勝つ事を「塩漬け」と揶揄される。
逆に言えばコナー・マクレガーなどは勝っても負けても”砂糖”だ。かつてボクシングでもレイ・ロビンソンやレナードは”シュガー”と表現され、素晴らしい、華麗な、スウィートで甘美な試合をするという格闘家として最上級の褒め言葉でもある。

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かつて、”黄金の階級”UFCウェルター級はシュガー渦巻くUFC随一の花形階級だった。
レジェンドであるマット・ヒューズ、GSP、BJペンが三国志を繰り広げ、三国を統一した絶対王者GSPから稀代の激闘王ロビー・ローラーが王座を受け継ぎ、ローリー・マクドナルドとのUFC史に残る死闘は今も伝説として語り継がれている。

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その激闘王ローラーをKOして王座に就いたのがタイロン・ウッドリーなのだが、元々はオールアメリカンレスリングとパワフルな打撃を駆使する”砂糖レスラー”から王座に就いてベルトを奪われたくない思いから急激に塩化が進み、UFCウェルター級は花形階級から塩レスラーが支配する塩帝国に成り下がってしまった…

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そして塩化した王者タイロン・ウッドリーを更にしょっぱい岩塩で漬けてUFCウェルター級のベルトを奪ったのが現UFCウェルター級王者であり”史上最強の塩レスラー”カマル・ウスマンだ。

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UFCでレベルが違う身体能力で旋風を巻き起こす”アフリカブーム”の立役者ガヌーやアデサニヤの豪快で驚愕させるファイトスタイルとは一線を画す堅牢でカッチカチの固い戦いをするナイジェリア人初のUFC王者カマル・ウスマン。

超レスリングエリートであり、MMAキャリアにおいて一度もテイクダウンされた事がない”不倒王”でその超一流のレスリングテクニックを駆使して相手をテイクダウンしたりケージレスリングで削り続ける「金網の申し子」だ。スタミナも無尽蔵で危険は冒さないクレバーさも持ち合わせていて打撃も硬く強い。守りは完璧で決して攻め過ぎる事はない。

“誰も戦いたくない男”それが「塩神」カマル・ウスマンだ。

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ストリートファイト上がりのUFC一の悪童で人気者のホルヘ・マスヴィダルを5R通して完全に塩漬けにしてしまった事は記憶に新しい。

(あの戦い方をしたら誰も勝てないのではないか…)

そう、昔からのUFCファンに悪夢を抱かせる「ザ・ナイジェリアン・ナイトメア」だ。

その最強の塩神にブラジリアン柔術界の第7世代であり絶好調ヤンチャ系柔術家の”柔術界のEXIT”ギルバート・バーンズが2月14日に開催されるUFC258で挑む。

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本来、MMAにおいての柔術家のイメージはグレイシー一族やデミアン・マイアなど寡黙で求道者で匠の様な雰囲気を持ち、試合も寝技を柔らかく駆使して最終的に美しく極めて勝つのがMMA柔術家の王道だった。

ギルバート・バーンズは全く違う。超一流の柔術テクニックを持ちながらイケイケの打撃で戦い相手をKOする。柔術テクニックを披露するのは場面で決める。つまりEXITよろしく「場面で決めねぇ〜」的な寝技に重きをおかない新時代のMMA柔術家だ。

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このファイトスタイルが今、べらぼうに強い。寝技に自信があるからこそテイクダウンされたとて立ち上がれるし、極めれるのでガンガン打撃で攻めれるのだ。バーンズは年はもう34歳なんだが、完全に”柔術界の第7世代”の戦い方なのだ。まぁお笑い第7世代のEXITりんたろー。も34歳だからそこは問題ない(笑)

寝技テクニックも「柔術」というより「剛術」に近いかもしれない。

ヒクソンやデミアン・マイアの理に適った上品で柔らかい柔術と違いヒカルド・アローナやホナウド・ジャカレイの様なフィジカルを全面に押し出して戦う剛術系柔術がギルバート・バーンズだ。わかりやすく言えば大卒のインテリの図書館の柔術ではなく、土木系の親方の現場の柔術なのだ。

だから打撃も組みも非常にパワフルで最強の塩神カマル・ウスマンを現UFCウェルター級で撃破できるとしたらギルバート・バーンズか期待の新鋭のカムザット・チマエフなんじゃないか?
対ウスマンにおいて打撃では絶好調のバーンズに分があると思われる。あとは組みの対処がどれだけ出来るかだ。その部分では完全にレスリングvs柔術の構図になる。

ウスマンの組技がバーンズを完全に上回ればさるかに合戦の臼の如く相手を押し潰す臼男(ウスマン)になってしまう。
期待を込めてバーンズにはイケイケの打撃と場面で駆使する土木系剛術でウスマンに一矢報いて頂きたい!

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2月14日…バレンタイン。チョコレートの日に塩が勝つのか?砂糖が勝つのか?UFC258、必見だ!

御後が宜しいようで。

文・鬼越トマホーク・坂井良多

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