調子良ければ「負けろ!」 朝倉未来、安保、矢地…格闘家YouTuberの光と闇の行方

〜格闘家YouTuberの光と闇の行方〜

筆者が大好きな龍が如くの最新作「龍が如く7」の副題〜光と闇の行方〜。

主人公やライバルの光と闇を描き、光と闇が複雑に入り混じり折り重なった素晴らしい大傑作だった。

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唐突だが芸人にも格闘家にも言える事。

やはり「本業あっての副業」

朝倉未来という大成功ケースを産み、コロナ禍も重なり格闘家の総YouTuber化が進む中。

朝倉未来を格闘家としてもYouTuberとしても尊敬し、本人公認で模倣していた第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者 安保瑠輝也。
”ムエタイ伝説”ゲーオを倒し王者になった安保は、兄弟格闘家で大阪では天才空手少年として有名な存在だが正直、個性豊かなタレント渦巻く新生K-1の中では関東圏にはまだまだどんな人間なのかキャラがわからない存在でもあった。ゲーオ超えは至難の業なのに世間的知名度では武尊や武居や木村ミノルの後塵を拝している感は否めなかった。

朝倉未来がそうである様に格闘家がYouTubeを始めると「怖い」とか「強い」とか「ストイック」な部分だけでなく人間らしい可愛らしい部分が見えてファンとしては堪らないコンテンツでありYouTubeきっかけで試合を見始める新規ファンも多数いるだろう。

安保瑠輝也もイケメンでテクニシャンでどこか隙のない格闘家だと筆者は勝手に思っていたがYouTubeを通して人間として可愛らしい部分も垣間見え、K-1王者としては見せたくない部分でもある総合のスパーリングをして寝技でこっぴどくやられるという動画も惜しげもなくYouTubeに流して好感度が一気に上がった。

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立ち技のスパーリングだけすれば絶対恥をかかないのに一からMMAを学びたいと熱心に朝倉未来とMMAのスパーをして教えを請い交流して見事、朝倉未来のキラーコンテンツである「街の喧嘩自慢」シリーズを安保のYouTubeで企画としてやる事の免罪符を得た。

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安保瑠輝也は格闘家YouTuberとして素晴らしいスタートをきりK-1ファイターとしても注目度は急上昇だ。

格闘家の新たな魅力や人間らしさをYouTubeを通じて全世界に流し新たなファンの獲得や日々の過酷な練習や減量の描写、その過酷な練習の息抜きやコラボから意外な人物と練習を共にしたり、スポンサーの獲得や試合以外の収入の安定も含めてYouTubeが無かった世代からしたら格闘家+YouTubeは良い事尽くめだ。

…果たしてそうなのか?

今語らせてもらったのは”光”の部分だ。

「光があれば必ず”闇”がある。」

宮迫さんと入江さんがそう言っていたとかいないとか…

今回、安保瑠輝也はYouTubeにおいて一度勝っている山崎秀晃は特に眼中になく勝ったら階級を上げて木村ミノルに挑戦表明すると宣言していた。
もちろん、格闘家としての煽りやリップサービスもあるがやはりファンとしては試合前のYouTubeの動画も相まって期待値はMAXで安保有利の下馬評から試合後に木村ミノルに挑戦表明して両者がどう対峙するのか期待していたファンも多かったのではないか?

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正直、安保瑠輝也勝利は固いしYouTubeでも人気が高まってきた時期だったのでベテランであるGolden FistをK-1ファンですら軽視してたのは確かだ。

そして、結果…

新生K-1史上でもハイライトに残る信じられない様なKOで”Golden Fist”山崎秀晃が安保瑠輝也を1Rで葬り去った…

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格闘技を観る人間、そして女ファンより寧ろ男ファンの方が罪深い生き物で平気で掌を返す。それまで嘘の様に賞賛を重ね親指を上にあげていた人間はそんな事がなかったかの様に親指を下に向ける。

それが格闘技の悪しき魅力でもある。

格闘家のYouTubeが調子良ければ調子良いほど(負けろ)と思う人間も多くなるのは事実だ。

「本業疎かにして何やってんの?」

これは副業で儲けて全然笑いとってない芸人も言われる宿命にある。

やはり格闘家+YouTubeもブーメランがより強くなり負けてしまえばYouTube活動にも影響が出てくる事も考えれば”闇”もある。

矢地祐介も格闘家YouTuberの光も闇も体験している1人だ。ジークンドー動画でYouTuberとして”光”を掴んだがそのジークンドーを試合で披露出来ずに連敗中の格闘家として”闇”の中だ。
今後もジークンドー動画は撮っていくがやはり他の練習もしろよと言われかねない状況でもある…

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格闘家の1敗というのはそれほどデカいのだ。

やはりそう言った意味でも下品な表現だが全くボロを出さず格闘家としてもYouTuberとしても超順調な朝倉未来は格闘家YouTuberの中でも傑出していて一枚も二枚も上手だ。企画力も発想も1人先を行き、頭が良い。

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というか彼がいなかったら日本において格闘家YouTuberというジャンルは出来てなかった様な気さえする。今や格闘家YouTuberにパクられまくっている「街の喧嘩自慢」シリーズだが創造主である彼自身は「どうぞ、ご勝手に。皆さまごきげんよう」くらいにしか思ってないだろう。

ただやはり格闘家の宿命で勝率を99%までにしか出来ない。やはり1%は負ける可能性はいつだってあるのだ。

YouTubeで成功して大金を稼げば稼ぐほど本業で負けた時のリスクは付き纏う。

筆者も朝倉未来のファンだが光の部分で朝倉未来の圧倒的KO勝利を望んでいる自分もいれば闇の部分で(ここで負けたらどうなるんだろう?)と負けたら面白いと思っている自分もいる。

光と闇は常に運命共同体。

昔は試合こそ地上波で見れたが格闘家のパーソナルな部分はド深夜番組かマニア向け雑誌でしか垣間見れなかった。個人がメディアを持てる時代、YouTubeそしてYouTuberの出現で格闘技を渦巻く環境も大きく変わった。

光も闇もある格闘技+YouTubeそして格闘家YouTuber。

令和の新しい格闘技観戦が幕を開け格闘家YouTuberの光と闇の行方に格闘技ファンは一喜一憂していく事になる。

ケイプに負けた朝倉海が再起したように安保瑠輝也も矢地祐介もYouTubeを再起の道具に使って欲しい。時に温かく、時に冷たく、光も闇も愛しながらこれからも平成から令和になった格闘技を見届ける。

それでは皆さまごきげんよう。

御後が宜しいようで。

PS.
YouTubeが無かった時代の格闘家のパーソナルな部分でなんといっても衝撃的だったのは人間解析ドキュメントZONEで放送された武田幸三の食事だろう。質素を通り越してブッダだった。

文・鬼越トマホーク・坂井良多

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