ケージへの追い詰め方が“闇金ウシジマくん” ストリートファイト上がりの路上の神、塩漬けにされる

UFC251。

主人公、ストリートファイト上がりの”路上の神”

令和のスカーフェイス。実写版GTA。格闘版ナルコス。

悪童成り上がり物語。

成らず…

成り上がらず…

残念…無念だ…

ただ6日前に”塩帝”カマル・ウスマン戦を受けたホルヘ・マスヴィダル。

お前…男だ!!

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そんな高田延彦も震え上がるくらい史上初のファイト・アイランドで行われたUFC251は楽しくもあり消化不良感もある、ある意味ガチであるMMAの(いやぁ上手い事いかないもんだね〜)という思い描いた結果にならなかった時の大会を見終わった後の独特の寂しげなキタノブルーの様な感情に浸らせてくれた。

まずは激推ししていた”UFCのトニー・モンタナ”マスヴィダルが見事、”史上最高の塩レスラー”ウスマンに完全に塩漬けにされてしまった。

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UFCウェルター級王座戦の歴史に残るほど完璧な漬け方だった。

「カマル・ウスマンここにあり!」というくらい完璧に清々しいくらい漬けてくれた…

ある意味、UFCファンの(こうなって欲しくないけどこうなるだろうなぁ…)を具現化してくれた…マイナスの意味で予想通りだ。

急なオファーで明らかにダルダルで調整不足のマスヴィダルに鬼の様なスタミナの削り方をしてマスヴィダルが唯一賭けていた1発の打撃の爆発力を塩で固めて、滝の様な汗で鎮火してしまった。

ケージへの追い詰め方がナイジェリアの悪夢という名の闇金ウシジマくんだった。

“史上最高の塩レスラー”ウスマンは塩は塩でも最高級ヒマラヤ岩塩だ。

堅い。硬い。固い。堅牢すぎる…

勝てる奴いるのか?

これ程、ケージレスリングに愛された男はいるのか?

これ程、格闘技知らない人に強さを伝えにくい王者もいない。

さるかに合戦で言うと臼の強さだ。

臼マンだ。相手をケージに押し潰してしまう。

というか最も攻略が難しく、最も誰も戦いたくない地味強最強王者がUFC伝統のウェルター級に誕生した。

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マスヴィダルも開始直後の打撃は良かったんだけどなぁ…

やはりUFCにおいてグラウンドで下になった事が約2秒しかないウスマンを攻略するとしたら打撃なんだが一流の柔術技術とイケイケの打撃を持つ絶好調バーンズなら果たしてイケたのだろうか?

今後、マクレガーを絡めた花形メガマッチを行いたいウェルター級のメンツにとっても王者ウスマンはとんでもなく邪魔だろう。なんならマクレガーもウスマンとは相性最悪なのでウスマンが王座に居座る限り復帰しないのではないか?

それほどカマル・ウスマンは「憎たらしいほど強く、憎たらしいほど堅い」

城で言ったら小田原城だ。籠城されたら落とせない…

豊臣秀吉ですらウスマン攻略は難しい。

同タイプのコルビー・コヴィントンを粉砕した今、最大限のリスペクトを込めていうとウスマン以上にスタミナとレスリング能力があり更に明確にウスマンより打撃力がないとウスマン攻略は難しい。やはり、攻略の最右翼は絶好調バーンズだ。バーンズのコロナからの復活を待つ!

こんだけウスマンに毒舌吐いといてアレだが見た目は無骨でカッコいいし、わりとキャラは好きなんだけどね〜。

ただ好敵手がいないと輝かないし大金も稼げないのが現代MMAなんだ。

マクレガーは勿論、”組み神”ヌルマゴメドフですらウェルター級に階級を上げたとしてもウスマンとは分が悪いように感じる。

ウスマンのキャリアの為にも

星に願いを!ウスマンに好敵手を!

というわけでもう一生分のウスマンと文字で書いたのでそろそろ次の話題に移ろう。

マスヴィダルへの喪失感からメインイベントから語ってしまったUFC251だがなんと言っても”RIZIN代表”イリー・プロハースカの勝ち方がインパクト大で素晴らしかった!強豪オーズデミア相手でしかもUFCデビュー戦であの勝ち方はRIZINファンとして感慨深過ぎる!

単純に嬉しかった!!

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…ただ。

1ラウンドで穴も露見しまくってはいたので、今のままではMMA史上最高傑作にして”UFCの犯罪王”ジョン・ジョーンズには勝てないだろう。

JJは犯罪と相手の穴を突くスペシャリストだ。

ただまだプロハースカは27歳、実質無敗のラスボスJJを目指して彼が尊敬する宮本武蔵の様に金網の中で研鑚していって欲しい!

そして、順番がめちゃくちゃなのはご愛敬という事で次に語るのはある意味、一番残念だったマックス・ホロウェイの2連敗…

超花形だったUFCフェザー級がヴォルカノフスキーの台頭で一気に地味に…

今回、ホロウェイは負けてないと思ったんだが判定になっちゃうと鬼の様に頑丈な”ゴリゴリスポ根アスリート”アレクサンダー・ヴォルカノフスキーは強いね。

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ある意味、ウスマンと共通する「誰も戦いたくない」ファイトスタイルで王座の取り方的に劇的じゃないので未だ王者感がないしフェザー級を背負える人気はまだない。やはり好敵手は大事だ。

今後の展開としてはコリアンゾンビかオルテガだろうか?どちらにせよヴォルカノフスキーが望まれない形で長期政権を築きそうな気もする。

ただ勘違いして欲しくないのは強さが全てのMMAにおいて「誰も戦いたくない」は最大級の賛辞だ。

ウスマンもヴォルカノフスキーもUFCという世界最高峰のMMA団体の王者だ。本来、無条件でリスペクトすべき!

ただあくまで我々ファンはエンターテインメントとしてUFCを楽しんでいる。悪口や毒舌の類も全部ひっくるめて格闘技を楽しめばいい。ファンはそういう部分では最強なのだ。

2人とも好敵手さえ現れればなぁ…好敵手だらけの”UFCバンタム級”みたいになればなぁ…

というわけで最後に語るのはUFC251の圧倒的、ファイト・オブ・ザ・ナイト。

UFCバンタム級王座決定戦ピョートル・ヤンvsジョゼ・アルドだ!

この試合は凄かった!

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というか世界的にバンタム級が大カオス化してるし神試合連発し過ぎている。下品な表現をすれば駒が揃い過ぎている。

世界一空気の読めない”実績神”ヘンリー・セフード電撃引退からの今回のバンタム級王座決定戦。

ヤンが元々1階級上のレジェンドであるアルドに手こずりながら仕留めたのだがヤンもアルドも持ち味爆発の至極の試合だった。アルドが勝ってもおかしくなかった!アルドのボディは痺れるね!

そしてUFC250のバンタム級スター・ウォーズの流れを受けて今回、戴冠したピョートル・ヤンも今後も一切気が抜けないほど漫画の様に好敵手がうじゃうじゃいて未だ主人公がわからないのがバンタム級最大の魅力だ。

RIZINやONEやベラトールや修斗も混ぜたらとんでもない世界的バンタム級大カオス時代突入だ!

スターリングvsヤン?

ガーブラントvsオマリー?

セフードvs堀口恭司?

朝倉海vsデメトリアス・ジョンソン?

どの組み合わせも面白過ぎる!!!

なんならドミニク・クルーズもジョゼ・アルドもユライア・フェイバーも健在で更に謹慎者にはTJ・ディラショーもいる。

おい!マルロン・モラエスもいるぞ!

どうなってるんだ!この階級は!

少しはウェルター級とフェザー級に分けてやれよ!!

好敵手の三社祭でありライバルのリオのカーニバルだ。

とにかく苦労してピョートル・ヤンが王者に収まったが今後のバンタム級の展開はUFC内外含めて一切気が抜けない。

改めてUFC251で格闘技は相手があってのスポーツでミルクボーイさんの言葉を借りれば「好敵手なんてなんぼおってもええですからね!」という事だ。

一見、残念な結果の多かったかの様に見えるUFC251だが、よくよく考えると奥ゆかしさ溢れる興趣が尽きない大会だった。

これだからUFCはやめられない。

そして、私は悪童ホルヘ・マスヴィダルの復活を路上の神に祈ってます!

御後が宜しい様で。


文・鬼越トマホーク・坂井良多

sakai
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