究極の殴り合いに敗者など存在しない UFC漢塾 塾長2人がド派手な死闘

途轍もない試合だった… 最先端MMAのテクニックを携えたUFC最高の激闘王2人が魅せた令和に咲いたドン・フライ vs 高山。

全米熱狂…至極当然!

「この試合は絶対に面白くなる!」
そんな期待を裏切らないどころか遥かに上回る”砂糖 vs 砂糖”の究極の殴り合いに敗者など存在しない。

「ジャスティン・ゲイジー vs マイケル・チャンドラー」

アメリカ人の、アメリカ人による、アメリカ人の為の、最高の決闘だった。まさにアメリカ人の大好物同士を戦わせた「ピザ vs ハンバーガー」の様な試合はファイト・オブ・ザ・ナイト10回分のボーナスが払われてもおかしくないド派手な死闘だった。

基本的に殴り合いしかしないがゲイジーもチャンドラーも元々、超一流のレスラーであり、常軌を逸した殴り合いの中でキラリと光る2人のレスリングテクニックも大激闘に花を添えた。
アメリカンMMAの源流であるボクシング+レスリングの世界最高峰を骨の髄まで堪能して全格闘技ファンが脳イキしたのだ。

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1Rから両者グラつきまくる至高の殴り合いを見せ、若干チャンドラー優勢であったがゲイジーもラウンド後半は盛り返した一進一退の攻防で超満員のマディソン・スクエア・ガーデンの客のハートを鷲掴みにした。
結果的に2RにゲイジーがアッパーでチャンドラーをダウンさせてTKO寸前まで追い詰めたのがゲイジーの判定勝利の決め手になった。ただ、ダウンを奪われてからのチャンドラーの粘りは超人的であり、最終的にあの名勝負製造機のゲイジーが3R終盤にチャンドラーに対して(コイツを殴っても倒せない…)とばかりに全く手が出ずにチャンドラーが煽りまくっていたのが最大のハイライトだった。しかもチャンドラーは3Rに腰の重いゲイジーを完璧に持ち上げて投げ切って見せたし…

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チャンドラーの負けっぷりは歴史に残るカッコ良さで「Mr.ベラトール」と言われUFCを侵略しに来た最強の外敵は参戦からたった3戦で「Mr.UFC」と言っても過言じゃ無いほどUFCファンを熱狂させている。

世紀の死闘後も爽やかに互いの健闘を称え合う2人の姿はまさに全アメリカ人が憧れる”タフガイ”そのものであり、「アメリカの格闘家はこう在るべきである!」と聞こえてきそうなくらい2人ともUFC漢塾の塾長であった。

完全にゲイジー vs チャンドラーがUFC268のメインの二大タイトルマッチを喰ってしまった形だが、最先端MMAの粋を集めた二大タイトルマッチも素晴らしかった。

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リベンジに燃えるコルビー・コビントンとジャン・ウェイリーを寄せつけなかったカマル・ウスマンとローズ・ナマユナスは「流石、UFC王者」と称えられるべき総合力でまさに総合格闘技世界最高峰UFCの頂点であるUFC王者のレベルの高さを体現して復讐者を返り討ちにしてみせた。

特にウスマンの安定感はもうヤバいね…
100人乗っても大丈夫だね、あの安定感は。もうカムザット・チマエフが上がってくるのを待つしかない。
流石、現UFCのパウンド・フォー・パウンドだよ。UFCのパウンド・フォー・パウンドって事は現MMA最強の男って事だからね。

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“磐石”って言葉がこれほど似合う王者はいない。激闘だった前戦よりも全てにおいて上回っての完勝だった今回でUFCウェルター級王者ウスマンは王の座についても進化し続けてる事を証明して見せた。

そして、現UFC女子ストロー級王者ナマユナスは”最強中国女子”ウェイリーを全て受け止めて、危ない場面もあったが全局面で少しだけ上回り競り勝って見せた。どっちが勝つかわからなかった最終ラウンドでのテイクダウンからの漬け込みは流石であり、「相手の弱い部分で戦う」というMMAの鉄則に従って冷静にウェイリーを攻略したのだ。

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いやぁ、レベル高かったわ…UFC268。

ゲイジー vs チャンドラーの様に一流のテクニックを持ちながらテクニック無視で戦う古代のMMAを呼び起こさせる戦士達もいれば、二大タイトルマッチの様に最先端のMMAとテクニックとどこまでも向き合い、MMAの競技としてのレベルの高さを見せつけるインテリジェンスな戦いもある。この一大会での試合毎の対比がUFCの最大の面白さであり、神大会・神興行や群抜いたスーパースターを産むのだ。

MMAの魅力がパンパンに詰まった素敵な大会だったな、UFC268は。そして、ストーリーが複雑に絡み合うのもUFCが格闘技ファンを虜にする公然の秘密だ。

12月12日に行われるUFCライト級タイトルマッチ「チャールズ・オリベイラ vs ダスティン・ポイエー」

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この試合自体も滅茶苦茶楽しみだが、今回、死闘を生き残ったゲイジーが次期挑戦者として上がってくるだろうし、もしポイエーがライト級王者になった場合、現在、ポイエーに連敗して絶望的な状況にある”UFC史上最大のスーパースター”コナー・マクレガーもライト級戦線に面白い形で絡んでくる。
ポイエーが王者になれば、絶対にリベンジしたいマクレガーはタイトルマッチを戦わせろとアピールするが、超人気者とはいえ、ただじゃタイトルマッチは出来ないので恐らくゲイジー、チャンドラー、オリベイラの誰かしらを倒さないとポイエーには辿り着けない。

もしマクレガーが地獄の挑戦者決定戦を生き残り、因縁のポイエーに奇跡のリベンジを果たし、再びUFCライト級王者を戴冠したら地球が爆発する程、盛り上がるだろう。
ポイエーに連敗したのにまだこんなドラマの可能性が残されてるマクレガーは流石、悪名高いだけあって悪運が強すぎる。ただ、MMAはガチ中のガチなので絶好調のUFCライト級王者オリベイラがポイエーを簡単に極めてしまう事も大いにあり得るのだ。

思い通り進まないのが完全ガチのMMAという先が読めない大河ドラマであり、その複雑に絡み合ったカオスの渦が何ものにも代えがたい熱狂を生む。

…ね?目が離せないでしょ?UFC。
こんなストーリーが各階級にあるのよ。悶絶モンでしょ?

UFCライト級スター・ウォーズはどう転んでも面白いし、この他にヌルマゴの盟友であるイスラム・マカチェフというバケモノも控えている。なんならヌルマゴだって復帰の可能性が0とは思えない。
そんなライト級スター・ウォーズの幕開けに相応しいゲイジーとチャンドラーの超激闘。全世界の格闘技ファンの目に焼き付いて、いつか走馬灯の様に蘇る”アメリカの誇り”。

ほんと、良いもん見せて頂いた!!!UFC268、最高!

御後が宜しいようで。

文・鬼越トマホーク・坂井良多

sakai
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