世界最強の「おっさんずラブ」 華はなくても夢がある38歳 vs 42歳

格闘家の”華”論争が日本で話題になる中、嫌味な言い方をすれば華の無いUFCナンバリング大会である「UFC267」が日本時間10月30日の深夜3時(31日の早朝3時)よりアブダビで開催される。
UFC史上最高の天才であり、UFC史上最低の犯罪王であるUFCライトヘビー級絶対王者ジョン・ジョーンズが階級を去り、一気に注目度が薄れたUFCライトヘビー級。そんな主役不在のライトヘビー級でベテラン同士のいぶし銀タイトルマッチが行われる。

王者ヤン・ブラホヴィッチ vs 挑戦者グローバー・テイシェイラ。
王者38歳 vs 挑戦者42歳。

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若ければ若いほど良いと思われがちなスポーツの世界で、まさかのおっさんずラブ状態だ(笑)
しかも2人とも華のあるタイプでは無い地味な実力者対決であり、世界一の金持ち地区とも形容されるアブダビでUFC一地味なタイトルマッチが行われるという落語の様な素敵なお話になっている。

…じゃあ、このタイトルマッチはつまらないのか?


…否。

38歳のおっさんと42歳のおっさんが世界最強であるUFCタイトルを賭けて戦って面白く無いわけがない!むしろ夢しかない!おっさんとおっさんが飛行機に乗ってアブダビまで行って金網の中で戦うんだぞ!まさに「おっさんずラブ -in the sky-」だ(笑)
RIZINで例えるなら金原正徳 vs 中村大介でフェザー級タイトルマッチをやる様なものだ。格闘技マニアからしたら垂涎であり、胸熱だ。

両者、もちろん苦労人であり、華が無いという事は負けたらそこで終わりなのだ。「多分、負けるんじゃないか?」と言われた戦いを何度も経験して、その全てに生き残ってきた超実力者対決だ。

王者ブラホヴィッチは前回の防衛戦でUFCミドル級絶対王者である”地球外生命体”イズラエル・アデサニヤのライトヘビー級侵攻を見事、防ぎ切ってMMA初黒星を与えた。

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対するグローバー・テイシェイラもジョン・ジョーンズに完全敗北したり、アンソニー・ジョンソンやグスタフソンに完全KOされたりしても全くめげずに、普通だったら引退する年であるアラフォーから奮起して5連勝で念願のタイトルマッチに執念で漕ぎ着けた。

ベテランのテイシェイラにとって直近5戦は全て生き残りマッチであり、特筆すべきは直近2戦でアンソニー・スミスをTKOで下し、チアゴ・サントスから一本勝ちしているのだ。

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これがどのくらい凄い事かお笑いで説明すると、錦鯉がニューヨークとさらば青春の光とネタ対決して、客票100票あるとして2対決とも100対0で完全勝利する様なものだ。42歳の大ベテランが大ハッスルして世界最強決定戦であるUFCタイトルマッチに奇跡的に辿り着いたのだ。

まさにおっさんずラブのこのメインカード、両者パンチの破壊力が凄まじいので危険な打撃戦になるだろうし、テイシェイラは寝技の極めも鬼強なので注目だ。ブラホヴィッチも力任せの極め力は驚異的であり、一発当たりさえすれば、そこからKOも一本勝ちも出来ると言う点ではファイトスタイルは似てるのかもしれない。
テイシェイラの劣勢からの一発逆転のカウンターとブラホヴィッチの破壊的ミドルキックもいぶし銀ポイントなので要注目だ。

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そして、この対決を生き残った最強のおっさんに”RIZINの希望の星”であるイリー・プロハースカが挑むかもしれないのでマジで楽しみだ!プロハースカはUFCタイトルまであと一歩のところまで来てるし、試合が面白いのでUFCファンの評価も高い。逆マネル・ケイプだ(笑)

一見、地味なUFC267だがおっさんずラブ決戦だけではなく、よく考えたら神興行の予感しかしないRIZIN.31の様な気配がする好カードが多い。

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セミでは前回、衝撃の反則決着でダイレクトリマッチを望む声が多かった世界的カオスであるバンタム級のスターリング vs ヤンの因縁のUFCバンタム級タイトルマッチが行われる予定だったのだが、スターリングが首の手術からの回復が遅れ、更にサンドヘイゲンに前回勝っているTJ・ディラショーも怪我をしたとの事で巡り巡って「ピョートル・ヤン vs コーリー・サンドヘイゲン」という予期せぬ暫定王座決定戦となった。

この試合は、全くタイプの異なるファイトスタイルの異色対決であり両者好戦的なので非常に楽しみだ。反則するまでスターリングを圧倒していた恐らく世界的カオスのバンタム級最強の男であるピョートル・ヤンが有利だが”バンタム級一のファンタジスタ”コーリー・サンドヘイゲンは飛び膝や後ろ回し蹴りなど一撃があるので全く油断出来ない。

もしサンドヘイゲンが勝ったら、世界のバンタム級は更なるカオスに包まれる(笑)

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RIZINではバンタム級グランプリ真っ只中であり、ベラトールでは堀口恭司 vs セルジオ・ペティスのタイトルマッチも決まった。世界的に盛り上がるバンタム級の”世界最強”を決めるUFCバンタム級暫定王座の行方はどうなるのか?今後のバンタム級の流れが決まるのでこの試合は最注目だ!

そして、”組み神”ハビブ・ヌルマゴメドフに象徴される様に”最強”を生み出す世界最強地域であるコーカサスから2人の戦士がUFC267に参戦するのも要チェックだ。

ヌルマゴの幼馴染みであるUFC8連勝中のイスラム・マカチェフとUFC最注目株であるカムザット・チマエフだ。
この2人は、今後タイトル戦線に絡む事が予想されるゲキ強ファイターで今回、マカチェフはライト級トップランカーのダン・フッカーと戦い、チマエフはこちらも注目の”ウェルター級最強中国人”リー・ジンリャンと決戦を行う。
もしかしたらメインとセミを喰うかもしれないこの2試合は一見、地味なUFC267の最大の華になる可能性があり、全くもって刮目必須だ。

個人的には、コロナ感染からのまさかの引退騒動もあった久しぶりのUFC参戦であるカムザット・チマエフが絶好調のリー・ジンリャンに対してどんな戦いを見せるか滅茶苦茶楽しみだ。
もう敵がいないウェルター級王者ウスマンを脅かす存在になって欲しい!

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という事で大会前の評価が低い大会が神興行になる事はRIZIN.31が証明したよね?一見、地味でも中には七色の宝石が詰まってるのが格闘技だよ。いい加減、学びなさい!

UFC267、楽しみ〜♡

深夜3時だからね!絶対、起きろよ!もうすぐだぞ!!

(もしかしたら俺が寝過ごすかも…)

御後が宜しいようで。

文・鬼越トマホーク・坂井良多

sakai
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