朝倉未来とは真逆の“逆境男” 不条理が生んだタイトルマッチは死闘の予感

偶然にも最悪な少年…いや、”偶然にも最悪な童顔の中年”RIZINフェザー級王者・斎藤裕。

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“RIZINのアイコン”である朝倉未来の為に創られたRIZINフェザー級のベルトを取ってしまったが為に彼の受難の人生は始まった。

彼はただただ真面目で喋ると意外と面白い控えめな童顔イケメンおじさんで試合で勝った後にチーズケーキを食べたいだけの好中年なんだが、RIZINフェザー級の呪われたベルトを巻いてから”何も悪い事をしていない”のに彼の荊だらけの王道は続いている。

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宿敵・朝倉未来からは「華が無い」と一生分言われ、「逃げるな」と言われたクレベル・コイケに逃げられ、ケラモフに反則三昧で攻められて終いには金玉まで掴まれ、運営から貶されたり、いきなり持ち上げられたり…下位選手達になぜか舐められがちだったり…自身のYouTubeスタッフとトラブったり…
バンタム級王者の堀口恭司とは真逆の扱いを受けている”一生逆境男”が斎藤チャンプだ。

…でもね。
彼は逆境が似合うし、逆境に強いよね。

秋田の男が物静かで粘り強く、頑固で意志が固く、独特のブラックユーモアに溢れている事は日本MMAの伝説でありMMA史上最高のファンタジスタ「桜庭和志」が証明した。ファイトスタイルは全く違うが斎藤裕のメンタルは桜庭和志に近い所を感じる。
我関せず、微動だにせず、結果を出していれば皆、黙るでしょ?そんな感じが最近の斎藤裕の独特なキャラに繋がってきて格闘技ファンの好感度は非常に高い。

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朝倉未来とは真逆の性格で全く噛み合ってないのだが、全く噛み合ってないからこそ、この2人の戦いが観たいと思わせる奇妙なライバル関係になってきた。ただ、宿敵達が指摘する様に正直に言えばマニア向けの選手であり、まだまだ一般層にファイターとして響いて無いのが課題ではある。

ただただ真面目で結果を残してる人間が必ずしも評価されるわけじゃ無いのが格闘技の面白い所だ。もし格闘技ではなくバイト先に斎藤裕がいた場合、伝説のバイトリーダーになっている。
まずシフトに穴は空けない。店長の言う事が理不尽でも歯向かわない。生意気な後輩が入ってきても言葉で注意せずに背中で見せるタイプの仕事人で自分の仕事に誇りを持っていて妥協しない。仮病で外国人バイトが休んでも文句を言わず、いきなり外国人バイトに金玉を掴まれても優しく仕事を教えてあげる。そして、鼻が折れても有給を使わない。

もし格闘技界がバイト先になった場合、これほどの事を斎藤裕はしているのに、なぜか店長からも他のバイトからも陰口を叩かれてるのが現状だ(笑)
よく考えたら全く悪い事をしてないのだ斎藤裕は(笑)ただ色んなものに巻き込まれているだけなのだ。…ただ、これが一番、重要なんだが、本人がその報われない逆境の現状を然程、大した事だと思ってない(笑)

そのメンタルこそ斎藤裕の最大の魅力なのだ。逆境慣れし過ぎて王者になった今でも自然体なのだ。

伝わったか伝わらないかわからないが、そんな謎の真面目男であるRIZINフェザー級王者・斎藤裕は10月24日のRIZIN.31で全く予想していなかった形で謎の正念場を迎える。

朝倉未来を締め落とした最強の挑戦者クレベル・コイケとのタイトルマッチが色々な事情があり頓挫してしまい、急遽、RIZIN初参戦のDEEPフェザー級王者・牛久絢太郎とのRIZINフェザー級タイトルマッチが組まれた。

格闘技ファンからしてもなんじゃそら??と思う不思議な状況なのだが、片道切符しか持たずに魑魅魍魎渦巻く格闘技界を突き進むRIZINの最大の持ち味であるドタバタ&バタバタの厄災が全て斎藤裕に降りかかってしまった可哀想な状況だ。

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ただ…まぁ、斎藤裕っぽいっちゃぽいよね(笑)
格闘技ファンとしてフェザー級の宝であるクレベルとRIZINに揉めて欲しく無いし、色んな思惑や事情があるんだが今回は斎藤裕の男気がRIZINを救った形だ。

いつも以上の不条理への憤りからか、不動心である本人もいつになく燃えているし、格闘技マニアとしては凄く楽しみな試合になった。これで牛久が勝ったら大カオスなので斎藤裕がこの試合を受けたメンタルは正直、物凄いよ!
牛久も若くて素晴らしい選手だが、ここで斎藤裕が勝たないと今まで積み重ねたストーリーが台無しになる。そんな戦いをある意味、普通に受け入れた時点で肝が座り過ぎている。

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直前で対戦相手が変わるのがどれ程、嫌でどれ程、危険な事か…
デリヘルで急遽、違う女の子が来るレベルの話じゃないよ!(笑)

兎に角、「真面目vs真面目」「控えめvs控えめ」と失礼ながら形容されてもおかしくない斎藤裕vs牛久絢太郎の格闘公務員対決だが、様々な事情も相俟って静かな殺気を放つ物凄く楽しみな異質なタイトルマッチに仕上がった。
華vs華だった朝倉未来vs萩原京平とは好対照の実vs実のタイトルマッチだ。

RIZIN漢塾筆頭塾生である”怒りの不動心”斎藤裕が今回、怖さを見せつけると宣言しているので戦い方は要注目だし、RIZIN史上最高の棚ぼたである”無限スタミナ男”牛久絢太郎はこの千載一遇のチャンスに全てを賭けると宣言している。

不条理が生んだどこか軽んじられているこのタイトルマッチ…死闘の予感がする!斎藤裕も牛久絢太郎も余計な事は言わず、リング上の戦いで魅せるファイター同士だ。果たして結末はどうなるのか?

偶然にも最悪な童顔の中年が最高の勝利を見せるのか?偶然にも最高のチャンスを得た好青年が全てを奪うのか?

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絶対に負けられない王者と絶対に勝ちたい挑戦者。

“世界一地味なタイトルマッチ”?

勝手に言ってろ!知らん!

10月24日「RIZIN.31」RIZINフェザー級タイトルマッチ。王者・斎藤裕vs挑戦者・牛久絢太郎。勝って混沌のフェザー級大河ドラマに生き残るのはどっちだ?

めちゃくちゃ楽しみだ!!!

御後が宜しいようで。

文・鬼越トマホーク・坂井良多

sakai
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