超ド級KO劇!ゴジラvsコング級の一撃パンチ 塩神を怒らせてはいけない

やっぱり満員の大観衆は素晴らしいな…
会場をカメラ越しに見渡すだけで感慨深く、じんわりと内臓の底から感動してしまった。コロナ禍で良かった事なんて一つも無い…ただ一つ心に刻んだ事は”当たり前が1番幸せ”だという事。俗なセリフかもしれないが全世界がそれをこの1年で痛感したのだ。そして大観衆の声援は戦いの神に愛された超一流のファイター達の能力を更に覚醒させる。

UFC261、コロナ禍初の”完全客入れ”に相応しい完全無欠の一点の混じりっ気も無い神興行だった。まだ武者震いが止まらない。なんといってもメインのナイジェリアのエリートvsキューバの不良が凄まじい結末だった…

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尊敬と皮肉を込めて”塩神”と言われていた史上最高の塩レスラー「カマル・ウスマン」。彼の右腕はロケットランチャーだったのか?対戦相手の為に今まで抑えていたのかもしれないと思うほど常軌を逸した”ウスマン砲”で「UFCのトニー・モンタナ」ホルヘ・マスヴィダルの首を完全に吹っ飛ばして失神させた正に完全決着だった。一瞬、セコンドにいたガヌーが乗り移ったのかと思ったよ(笑)

まさにスカーフェイスのラストシーンの様なマスヴィダルのやられっぷりも圧巻でウスマン砲直後の満員の観客のフルボルテージはコロナ禍で溜まり込んだ鬱憤を全て発散させるに相応しい特大花火の様だったのは言うまでも無い。文字通りの”熱狂”そのものを海を跨いで味わせて頂いた。

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UFCレジェンドであるGSPの記録を超えてウェルター級絶対王者として君臨しているウスマンだがもう彼に文句を言う人はいない。名実ともに最強王者だ。全てを圧倒的な実力で黙らせて支配下に置いたのだ。

この試合は入場から神懸かっていた。世界最強の悪童ホルヘ・マスヴィダルはいつもの様にスカーフェイスの曲でヤンチャな笑みと喧嘩屋としての気合いと誇りと危険な人生を歩んできた男にしか出せない艶を纏って入場してセコンドには世界的常勝軍団ATTの諸葛孔明マイク・ブラウンがしっかり脇を固めている。もう何か起こすであろう期待感はハンパなかった。原始的な喧嘩と最新格闘科学の融合、それがマスヴィダル最大の魅力だ。

対するアフリカ三銃士の筆頭である絶対王者カマル・ウスマンの入場も痺れた。自らを慕う盟友「世界最強の男」UFCヘビー級王者フランシス・ガヌーを従えての入場…これが似合うのはウスマンしかいない。普通はガヌーの方に目が行くがウスマンの王としてのオーラはまさに威風堂々だった。

“塩神”と呼ばれ試合が堅く人気がなかったはずのウスマンは自らの実力と実績だけで凄みを見せ続け、前回の防衛戦でジムメイトで娘同士が仲が良いバーンズをKOしてから”パパ友殺し”の異名と共に得体の知れない凄まじいオーラを放ち始めた。そのオーラは世界最強の男ガヌーに勝るとも劣らない迫力で文字通り世界最強の男をSPとして従えるに相応しいUFCのアフリカ政権の大統領だ。

ウスマンとマスヴィダルの対照的なキャラクター、異なる国と異なるバックボーン、試合前の因縁、全て含めてこの一戦は神試合連発のUFC261の中でも盛り上がりは試合前から別格で、リングアナウンサーのブルース・バッファーもコロチキのナダルが引くくらいイッちゃってた。イキ狂っていた。飛沫?クソ喰らえ!やはり格闘技はこうでなきゃいけない!無観客試合に慣れた全世界の脳を呼び起こす雷撃の様な戦いだった!

敗れたマスヴィダルも挑戦者として本当に素晴らしい。世界中で戦ってきた喧嘩屋のカリスマ性は路上の神の名に恥じない唯一無二の個性だ。あの1Rの飛び膝が当たっていれば歴史は変わったはずだ。ウスマンも2Rで修正してきたがだいぶ1Rは大振りだったし得意のテイクダウンからの漬け込みも徹底的に対策してきたマスヴィダルに立たれてしまっていた。2Rマスヴィダルの良い打撃が入れば歴史は変わると思ったし1RのATT仕込みのカーフも何発か入ってるかに見えた…ただウスマンの修正能力はズバ抜けている。

バーンズ戦でも思ったがウスマンはピンチを迎えてもラウンドを挟めば修正して完璧に対応してくる。だからこの男は強い。相手のペースに決して飲み込まれないのだ。2Rさらにレスリングで攻めてくるかと思った大方の予想を裏切った上で1Rの大振りフックがまるでフリだったかのような完璧な右ストレート…

打たれ強くて打撃ではウスマンを上回っていると思われたタフな悪童マスヴィダルを一撃でKOは離れ業が過ぎる…ナイジェリアの進学校の生徒会長がキューバの工業高校の番長を殴り倒して黙らせてしまったのだ。

そして大観衆を戦いで熱狂させた後、2人が駆け寄って抱き合いながらノーサイドで互いを讃え合う素晴らしいタイトルマッチでもあったのがUFCファンとして嬉しい限りだ。あれだけ罵り合っていたのに最後はリスペクトで終わる、これがMMAの醍醐味だ。2人とも煽りでも試合内容でも客を満足させた食べログ星5つの試合で口コミも絶賛の嵐だろう。

ウスマンの一撃はネットでも話題になっていたが、ゴジラvsコングのコングの一撃の様な超ド級のパンチだったので、早くも2021年UFC年間最高KOの最右翼に躍り出た。

ウスマンは塩神ではなく決して怒らせてはいけない守護神なのかもしれない。怒った時のウスマンの強さは手がつけられない。ウェルター級トップランカーの”世界一下品な毒舌家”コルビー・コヴィントンがリングサイドで何やら騒いでいたが正直、役者が違うと誰しもが思ってしまった。コヴィントンも強いがレスリング+ボクシングの同系統の世界トップであるウスマンに勝つのは容易じゃ無い。一度完敗しているので再戦を目指すならインパクトが必要だ。

やはりあの超新星カムザット・チマエフが復活してランキングを上がってきてくれる事を切に願う。もうそのくらいしかウスマンの相手はいないのだ。それかもう団体を飛び越えてマイケル・”ヴェノム”・ペイジとかね。

UFCを席巻するアフリカ三銃士の筆頭であるカマル・ウスマンの大勝利でデイナ・ホワイトがコロナ後に画策するビッグイベント「UFCアフリカ大会」にまた一歩近づいた。
ウスマン、アデサニヤ、ガヌーの三銃士揃い踏みのトリプルタイトルマッチがアフリカの地で行われたらそれはもう”キンシャサの奇跡2″だ!天国のモハメド・アリもきっと大喜びするだろう!やはり大観衆の中で格闘技を観ると夢が広がるな!!!

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UFC261「カマル・ウスマンvsホルヘ・マスヴィダル2」
最高のMMAをありがとう!

御後が宜しいようで。

文・鬼越トマホーク・坂井良多

sakai
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