女子格闘技のビジュアル先行を完全拒否 “坊主頭の求道者”が立ちはだかる

ナイジェリアのインテリvsキューバの不良の遺恨マッチがメインのUFC261まで残りわずか!メインカードの塩神ウスマンvs路上神マスヴィダルはもちろん、その他のカードも魅力的なので紹介していこう。

YouTube

YouTube

セミで登場の中国人および東アジア人史上初のUFC世界王者ジャン・ウェイリーが元王者であるローズ・ナマユナスを迎えての防衛戦、これは注目すべき要チェック案件だ。
UFCに彗星の様に現れた”謎の中国人”ジャン・ウェイリーはUFC4戦目で当時の怪力王者ジェシカ・アンドラージを42秒で仕留めていわゆる日本人がコンプレックスを抱く”東洋人はUFC王者になれない”というジンクスを見事、清々しいくらいに破壊して歴史に名を刻んでみせた。

元々はRIZIN.10で現在はUFCで戦う村田夏南子の相手としてマッチメイクされていたが怪我で欠場したジャン・ウェイリー。RIZINマッチメイカーの目利きの素晴らしさはもちろん、日本のMMAの舞台を挟まずそのままUFCに参戦できたのは結果的にウェイリーにとっては幸運だったかもしれない。いきなり王者を取った超新星として扱われがちだが31歳なのでMMAファイターとしては中堅からベテランの位置に入る。チャンスを逃さないのはもちろん、タイミングや運やキャリア最高のコンディショニングなど全てが噛み合わなければUFC王者にはなれない。一度チャンスを逃せばまた列の最後尾に並ばなければならない。

YouTube

特に東洋人にチャンスが回ってこないのが世界最高峰UFCなのだ。UFCの歴史で活躍した東洋人が少ないので人気も無く、あの堀口恭司ですらマッチメイクが上手くされない時期もあった。平等も世界平和も素晴らしいがUFCは米国が作ったルール有る闘争の世界だ。決して平等ではない。平等ではないからプロスポーツとして人々を魅了して、選手も歴史を打ち破ろうと命をかける。

それは差別などではなくプロ競技として仕方がない事だ。ホーム&アウェイで言えばアジア人はずっとアウェイの中で結果と実力と試合内容でリスペクトを勝ち取らなければならない。マニー・パッキャオの様に。

だからこそUFCにとって謎の中国人でしかなかったジャン・ウェイリーが残した実績は途轍もない事なのだ。一世一代のチャンスを見事ものにした。王者になった後の初防衛戦ではロンダ・ラウジーと共にUFC女子を背負ってきたUFC女子ストロー級の第一人者でありレジェンド、ヨアンナ・イェンジェイチックと女子格闘技の歴史に残る死闘を繰り広げ接戦を制して見事に王座を防衛してみせた。この時のウェイリーの打撃をもらったヨアンナの顔面の変形がUFCの歴史に残る死闘だったと今も鮮明に覚えている。メインイベントでUFC史上最低のタイトルマッチをしたアデサニヤvsロメロの代わりに大会を〆てくれた。

YouTube

そんなウェイリーがストロー級において最強を証明する為にもう一人倒さないといけないのが今回の対戦相手である”一切の無駄を排除した求道者”元王者ローズ・ナマユナスだ。

YouTube

元々、無敗のレジェンドであったヨアンナに初めて土をつけたのがナマユナスで寝技師で打撃では圧倒的不利と言われながらヨアンナを打撃で完全KOして女子ストロー級に革命を起こした。日本格闘技で例えれば堀口恭司vs朝倉海の第一戦に近い番狂わせだ。それほどヨアンナの強さは抜きん出ていた。

そしてナマユナスを語る上で欠かせないのが髪型だ。ずばり”坊主頭”なのだ。

YouTube

女子格闘技はビジュアルに注目がいく部分もあるがナマユナスはそれが嫌だったのであろう。美女対決と謳われたペイジ・ヴァンザント戦でいきなり坊主にしてきたのだ。
ある意味、ビジュアル先行を完全拒否して「試合を見ろ!」というばかりのストイックぶりは求道者そのもので坊主頭の衝撃は「UFCのナタリー・ポートマン」と言っても過言では無い。

YouTube

以降、坊主頭はローズ・ナマユナスの代名詞になり、彼女の妥協を許さない姿勢が下馬評を覆してUFC王者という最高の名誉を引き寄せたのだ。

そんなナマユナスが王者となって初防衛戦で再びヨアンナを退けて新女王として長期政権を築くと誰しもが思った矢先、怪力挑戦者であるジェシカ・アンドラージとの2度目の防衛戦で2Rスタンディングキムラロックを仕掛けようとした所を強引に持ち上げられてそのままエグい角度で叩きつけられて失神、まさかのスラムでのKOで王座陥落してしまったのだ。このフィニッシュは女子格闘技の歴史に残るショッキングなシーンだった…

YouTube

という訳で女子ストロー級の時系列を軽く整理すると…

無敗のヨアンナにナマユナスが超番狂わせで勝利、新王者に→ナマユナスがアンドラージにスラムで失神KOされて2度目の防衛に失敗、アンドラージが王者に→アンドラージにジャン・ウェイリーが42秒で勝利、東洋人初のUFC王者に→ウェイリーが初防衛戦でヨアンナに勝利、ナマユナスもアンドラージにリベンジを果たす→ウェイリーとナマユナスでタイトルマッチ←いまここ!

平たく言うとこんな感じだ。どうだい?すごく面白い展開でしょ?RIZINバンタム級並みにストーリーがあるのよ!

このトップランカー達に柔術世界王者で約40kg重いギャビ・ガルシアに柔術で勝利した事があるダイナマイトボディの美人柔術家マッケンジー・ダーンも今後絡んでくると思われる激アツ展開。

YouTube

どう?UFC女子最軽量級、注目っしょ?

UFC261のUFC女子ストロー級タイトルマッチ
ジャン・ウェイリーvsローズ・ナマユナス
パワフルな打撃のウェイリーか?シャープな打撃+寝技のナマユナスか?ウェイリーも一本勝ちが多いので打撃はもちろん寝技の展開もみたい!

ナイジェリアのインテリvsキューバの不良の決戦の前のUFC版ルーシー・リューvsナタリー・ポートマンを見逃すなかれ!

御後が宜しいようで。

YouTube

文・鬼越トマホーク・坂井良多

sakai
TAGS