罵り合い、あわや乱闘…因縁の完全決着戦! アフリカの進学校エリートvsキューバの工業高校一ヤンキー

カマル・ウスマン、イズラエル・アデサニヤ、フランシス・ガヌー。今や世界最高峰のMMA団体UFCを席巻する「アフリカ三銃士」。その三銃士の中でも一番早くUFC王座を戴冠しアフリカ大陸初のUFC王者となった”塩神”カマル・ウスマン。

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アフリカ三銃士の特徴として三者に共通するのは圧倒的身体能力とアフリカに対する愛だ。しかし各々ファイトスタイルは三者三様で大きく異なる。独創的なファンタジスタがアデサニヤ、超人的パワーで全てを破壊する怪物がガヌー、そしてウスマンは超一流のレスリングテクとジャブを駆使する最も堅実で堅牢な戦い方をする難攻不落の”人間小田原城”でサッカーで言うならイタリア伝統のカテナチオだ。
ある意味、アフリカらしくないのがウスマン最大の特徴で打撃は強いが決して無理はせずにケージレスリングやトップキープで相手の良さを全て潰し、自らはMMAキャリアで一回もテイクダウンを許したことが無いことからリスペクトと皮肉を込めて”塩神”と言われる。面白くないと言っては失礼だが堅い試合をして組技で相手を漬ける戦い方を格闘技では”塩”と揶揄するのでその世界最高峰であるウスマンは史上最高の塩レスラーであり”塩神”なのだ。

UFC258で同門のギルバート・バーンズとの最強パパ友対決を制しノリにのっているウスマンは常識的な試合間隔を無視してUFC261で因縁の再戦に臨む。

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ウスマンと深い因縁にある再戦の相手はもちろん皆さんご存知”世界最強の不良”ことUFCのトニー・モンタナ「ホルヘ・マスヴィダル」だ。

ニック・ディアスとの稀代の悪童対決を制したBMF(Baddest Mother Fucker)王者ホルヘ・マスヴィダルはキューバ人の父親とペルー人の母親との間にフロリダ州マイアミの治安の悪い地区で生まれた「リアル・スカーフェイス」だ。ストリートファイト出身で地下から苦労を重ねてUFCトップランカーに成り上がったネオ喧嘩屋で堀口恭司やダスティン・ポイエーと同じ今をときめくATT所属だ。

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コーチはもちろん”MMA界の林修”常勝請負人マイク・ブラウンなのでカーフキックも標準装備済みだと思われる。マスヴィダルは日本でも戦っていたし、堀口恭司をATTのパウンドフォーパウンドとして絶賛していて仲も良いので日本の格闘技ファンにも馴染みが深い。悪童だがチームメイトには優しい宇梶剛士タイプの伝説の不良だ。
UFCでのハイライトは当時無敗だったベン・アスクレンを開始5秒で飛び膝蹴りで失神させた試合でUFC史上最短勝利記録保持者だ。

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“レスリングエリート”カマル・ウスマン
“ストリートファイト出身”ホルヘ・マスヴィダル

この2人は対照的な人生を歩んできた水と油で非常に仲が悪く延々と舌戦を繰り広げている
因縁の始まりは第一戦である2020年7月11日、UFC251のUFC世界ウェルター級タイトルマッチで元々ウスマンに挑戦予定だったギルバート・バーンズが新型コロナウイルスに感染したことで、代役として大会6日前のオファーを受けての緊急参戦したのが悪童マスヴィダルであった。
元々スーパーボウルの会場で偶然居合わせて一触即発になるなど仲が悪かったウスマンとマスヴィダル。

マスヴィダルは6日間で約9.5kgの急激な減量やコーチのマイク・ブラウンが新型コロナウイルスに感染してセコンドにつけなくなるなどのトラブルもあり終始”塩神”ウスマンのレスリングで漬けられて判定負け。準備不足のマスヴィダルとしては苦くて悔いが残る敗戦だった。しかし、互いの舌戦やマスヴィダルが試合前にローマ空港に寄ってピザを食べて余裕をみせるパフォーマンスの甲斐あり、興行的にはPPVが130万件売れる大成功大会だった。

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ウスマンはマスヴィダル撃破後にバーンズもKOしてレジェンドGSPを抜いてUFCウェルター級史上最長連勝記録(13連勝)を更新した。名実共にUFCウェルター級最強王者に君臨している。

バーンズをKOした試合後の会見で、ウスマンはマスヴィダルがこれまで2度も対戦オファーを断り続けた上、『UFC251』でウスマンが判定3-0で圧勝したにも関わらず、その後にマスヴィダルが敗因を“6日前のオファーで準備できなかった”と口にしていることに対し激怒していた。堅い試合の割には舌戦が好きなウスマンは、マスヴィダルが大嫌いなのだ。長渕剛と桑田佳祐並みに仲が悪い。

「ヤツは(負ける)言い訳ができるから、あの試合を受けたんだ。実際はずっと練習をしていたのに。次回は完全な練習キャンプの時間を与える。次は棺桶の中に放り込んでやる」

WWEも真っ青のマイクアピールだ(笑)

そしてウスマンはもうマスヴィダルが言い訳できない様に前戦とは逆に自らは試合間隔を極端に詰めてマスヴィダルには充分な準備期間を与えた。

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まさに完全決着戦だ。ここに来て地味強だった塩神が煽りストとして覚醒している。

悪童マスヴィダルも勿論、呼応して「俺を棺にいれる? 相手にしがみついて、つま先を踏みつけるような奴が何をほざいてる?」とウスマンのファイトスタイルを全否定してから「お前から全てを奪ってやる。お前のものは俺のもの」と日本漫画史上最高の悪童であるジャイアン宣言を高らかにツイートしていた。

いやはや、4月25日UFC261が俄然楽しみだねぇ!!!

前回の対戦がフリになってるので今回の方が遥かに盛り上がる!後に引けない世界一の不良マスヴィダルは試合開始から仕掛けるんじゃないか?それが唯一、人間小田原城を攻略する手段かもしれない。
今回は常勝請負人マイク・ブラウンもセコンドにつくだろうし、ATTの今の勢いをみるとマスヴィダルに期待せざるをえない。しかし、ウスマンのバーンズ戦のパフォーマンスは盤石で少しのピンチでは塩神は揺らがない。

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ウスマン有利は動かないが路上の神は奇跡を引き寄せるのか?うーん…めちゃくちゃ楽しみだ!

ウスマンvsマスヴィダル2。
アフリカの進学校のエリートvsキューバの工業高校一のヤンキー。

さぁどうなる!UFC261見逃すなかれ!

御後が宜しいようで。

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文・鬼越トマホーク・坂井良多

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