社内衝突、マスコミからの攻撃… 500日で突然解任されたアップル元CEO

元アップルCEOのギル・アメリオ氏。かつて危機的状況に直面していたアップルを、さまざまな困難に直面しながらも復活へと導いた人物だ。しかしアメリオ氏は、業績を上げながらも突然の解任劇によって500日でその座を追われてしまう。

著書『アップル薄氷の500日』では、アメリオ氏が会社再建に挑む日々が綴られており、本著の「あとがき」では、アメリオ氏の本音が垣間見れる。

アメリオ氏はあとがきの冒頭で「本書の執筆には予想以上の苦難が伴った。辛酸をなめた日々を回想しなければならなかったからだ」と胸中を吐露している。社内での衝突、マスコミからの攻撃、そしてスティーブ・ジョブズの影が見え隠れする解任劇…思い出すにはあまりにハードな過去だ。

しかし、妻シャーリーンを含めた家族や、共同執筆者のビル・サイモン、アップル内外の多くの友人たちのお陰で書を世に出せたことを感謝。さらにアメリオ氏は「私の切なる願いは、本書が、トップから見下ろしたビジネスの全景を示すとともに、読者のみなさんが学び、成長するための土台となることだ」と、自身の壮絶な経験を世に役立てたいと、その思いを語っている。

アップルでの日々については「苦難に満ちた孤独な日々も多かった。しかし全体としては、すばらしい経験であり、しばしばスリリングでさえあった」と前向きに捉えるアメリオ氏。「ふたたびやるつもりですか?」といった少々イジワルな質問を受けることも多いそうだが、あとがきの最後は、逆境に耐え抜いたアメリオ氏らしい一文でこう締めくくられている。

「ふたたびやるつもりなのか?……もうすぐやるとも!」

世界的に名をはせた企業のCEOに就任し、あまりにも濃密な500日をすごしたアメリオ氏の日々が書かれた一冊。スリリングな本書はまるで緻密なミステリー小説を読んでいるかのような錯覚に陥るが、まさに事実は小説よりも奇なりの表現を地で行くストーリーとなっている。

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