金メダルに最も近い 13歳のガールズスケーター、岡本碧優

現在国際大会6連勝中。オリンピック出場ポイントが加算されるコンテストでは現在4戦4勝の負けなし。文句なしの世界ランク1位で、ぶっちぎりの金メダル候補。陳腐な表現になってしまうが、岡本碧優というスケートボーダーを表現するには、こういうのが最もシンプルでわかりやすい。

兄の影響で小学校2年生からスケートボードを始めた岡本は、スケートボード・男子パークのトップライダーである笹岡建介の実兄、笹岡拳道が主宰するTRIFORCE SKATEBOARD ACADEMYに入ったことで、本格的に練習をスタート。徐々に上達する喜びを覚えると、世界で戦えるライダーになりたいと志願するようになる。

そしてその成長を見て岡本に可能性を感じていた笹岡拳道には、彼女が世界で勝つための具体的なプランが見えていた。

その具体的なプランというのが、エアーの高さなど1つ1つのトリックのクオリティを高めつつも、今や彼女の代名詞となったトリック「540(ファイブフィーティ/空中で体を540度回転させるトリック)」をメイクすることだった。

そこで彼女もスケートボードに専念するため、小学校6年の冬に転校することを決意。笹岡家の実家に下宿しながらの生活でトリックを磨き続けた。540はそんな固い意志と地道な練習の末に手に入れた念願のトリックで、初めてできた時は嬉しくて、思わず泣いてしまったという逸話も残っている。

その後は『日本オープン・パーク選手権』優勝を皮切りに『DEW TOUR』、『 Road To X GAMES』『ISO of Park Skateboarding Nanjing2019』、『X GAMES Minneapolis』、『Park World Championship』優勝と国際大会6連勝を達成し、僅か4年で世界女王へと上り詰めた。そのセンセーショナルな活躍は、まさにシンデレラガールと呼ぶにふさわしい。

X Games/YouTube

彼女がコンテストで初めて540を披露したX Gamesのミネアポリス。インタビューからも笹岡兄弟との絆が伝わってくる。

そして最近では、そこにキックフリップインディー(空中でスケートボードを縦に一回転させて、それを後ろ側の手でお腹側から掴むトリック)といった回し系のトリックも組み入れるようになり、一段とルーティーンの難易度を上げてきている。さらに今年のシーズン再開からオリンピック本番に向けては、さらなる新技も用意しているとのこと。

女子パークというジャンルは、世界最高峰のコンテストである「Vans Park Series」ですら始まったのが2016年からと、競技ジャンルとしての歴史が浅く、競技人口から言ってもストリート以上に男社会の色が濃い世界だった。それがオリンピック競技に決まったことで、今は世界的に見て大きな時代の変化の渦中にあり、急激にレベルが上がっている。シーンが急成長中であるがゆえ、すぐに順位が入れ替わる危険性も同時にはらんでいるのだが、彼女の練習風景や取り組む姿勢を見ていると、そこにつけこむ隙は微塵もないように感じてしまう。すでに女子ではなく、男子のシーンを見ながら活動を続けている彼女が狙うものは、今夏の表彰台のてっぺん以外にありえない。それでは最後に彼女からのメッセージをどうそ。

「オリンピックに出るのがまだ決まったわけではないけど、出れるように頑張ります。スケートボードのパークは高さやスピードなどの迫力があって楽しいし、人それぞれコースの使い方が違うので、そういうところに注目してもらえると楽しいと思います。私も頑張るので、応援してもらえたら嬉しいです」

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