圧巻の映像美 『ノマドランド』はどのように撮影されたか?

「第93回アカデミー賞」にて、【作品賞】【監督賞(クロエ・ジャオ)】【主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)】の最多3部門でオスカー像を獲得した話題さく『ノマドランド』(絶賛公開中)より、クロエ・ジャオ監督、そしてジャオ監督とこれまでもタッグを組んできた撮影監督が、奇跡的な瞬間を追い求めた撮影現場を回想する特別映像が解禁となった。

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アカデミー賞で、不安に溢れる今の時代へ希望の光を差し込むかのような力強いスピーチを披露し、世界中を感動させたクロエ・ジャオ監督とフランシス・マクドーマンド。先立って公開を迎えた世界ではもちろんのこと、現在上映中の日本でもジャオ監督の手腕やマクドーマンドの名演に絶賛の声が相次いでいるが、一方で劇場のスクリーンいっぱいに映し出される映像美を賞賛する声も溢れている。本作で撮影監督を務めたのは、アカデミー賞で撮影賞にノミネートされ、受賞最有力との声も多くあがっていたジョシュア・ジェームズ・リチャーズ。『ザ・ライダー』などジャオ監督の歴代作品でタッグを組み、最新作『エターナルズ』でも撮影に参加するなど、ジャオ監督が絶大な信頼を置く存在だ。

そんなジョシュアの撮影にフォーカスした本映像は、ジャオ監督の撮影を知り尽くしたジョシュアが「人々は『ノマドランド』で従来の映画とは違う、クロエ・ジャオの世界に足を踏み入れる」と自信をのぞかせながらコメントする姿から始まる。『ザ・ライダー』と同じ法則にのっとり、ノマド役には実際のノマドへ出演を依頼したジャオ監督。ジョシュアは主人公を演じたマクドーマンドとノマドたちの生々しい息遣いや独特の行間を確実にカメラに捉えるために撮影にはステディカムを使用した。

映像では、ファーンがたった一人歩く姿を抑えた印象的なシーンとともに「画角が広くなり、風景を見せられる。それでいて主人公の感情に寄り添い続ける」と解説するジョシュアの姿が映される。さらに、演者を照らしながら空を大きく映し出す柔らかい光を求めて、撮影が難しいとされるマジックアワーの時間にもカメラを回すことに。時計を見ながらカメラをのぞき込むジャオ監督らスタッフのメイキングも映し出されるなか、クロエは「短い時間で連携するなかでチームワークが培われていき、最後には1つの生態系のようだった。すばらしい気分よ」とアカデミー賞のスピーチでも“一生に一度のクレイジーな旅”と例えた当時の撮影を回想する。

ファーンやノマドたちの宝物のように眩しい日々の様子が映しだされるなか、ジョシュアは「人生を模索するファーンにカメラはただ寄り添い、その場に立ち会っている」とリアルを追求した撮影を振り返り、さらにその徹底した撮影の元で完成した本作を「奇跡の積み重ねのような作品だ」と感無量の様子で表現。マクドーマンド、本物のノマド、そしてジャオ監督、ジョシュアら、たった23人の撮影クルーが奇跡的な瞬間を追い求め、圧巻の映像美で紡いだ本作は必見だ。

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