部下に態度の悪さを指摘されCEOが謝罪 風通し良すぎる「Netflix」カルチャー

全世界190カ国以上で配信を行い、会員数は2億人を超えるとも言われる巨大ストリーミングサービス「Netflix」。現在では単なる配信サービスだけでなく、コンテンツメーカーとしても無視できない存在へと成長した。

Netflix/YouTube

DVD郵送レンタルからスタートした会社がわずか20年の間に世界を牽引する大企業へと変貌を遂げたのは独特な社内文化が重要だったと言われている。その謎を紐解くのがNetflix共同創業者で会長兼CEOであるリード・ヘイスティングス自らが、INSEAD(欧州経営大学院)教授のエリン・メイヤーとともに語ったのが『NO RULES(ノー・ルールズ)世界一「自由」な会社、NETFLIX』(日本経済新聞出版)だ。

Netflixではまず大前提として、とにかく優秀な人材を集めることを重要視している。10人の凡庸な人材よりもたった一人の抜群に優秀な人材=トップスターを雇うことを選び、個人における最高水準の報酬を払っていることを本著でリードも断言している。そして優秀な人材のみで構成したドリームチームを作り上げた次に進めるのは「率直さを高める」ことだという。“透明性の高い企業”“風通しのいい社内風土”というワードはよく聞くが、Netflixではそれが細部に至るまで徹底されている。

まず、社員同士のフィードバックにその特徴が表れている。業務の不満を直接伝えたら角が立つと思ってしまうが、Netflixでは「相手にそれを伝えず、成長の機会を奪ってしまうことこそが悪」だとされている。

もちろん、喧嘩腰で相手のミスを指摘したり、重箱の隅をつつくような揚げ足取りは正しいフィードバックとは言えない。Netflixでは相手に伝える際には「助けようという気持ち(AIM TO ASSIST)」で「行動変化を促す(ACTIONABLE)」フィードバックを行い、受ける際は「感謝(APPRECIATE)」して、時には「取捨選択(ACCEPT OR DISCARD)」する“4A”のガイドラインを基本としているそうだ。

そしてそれは役職に関係なく、すべての階層を縦断して行われているという。実際に本著ではCEOであるリードが組織上3階層下の部下から会議での態度が悪いと指摘され、素直に謝罪したというエピソードが紹介されている。

そして、このフィードバックの文化が醸成されていくと、会社全体の率直性が高まっていく。Netflixは上場企業でありながら、なんと四半期ごとの財務結果や戦略情報といった機密データを希望する社員すべてに公表しているという。

このことによって社員は雇われているのではなく、信頼感を得るとともに当事者意識をもって業務にあたるようになるとリードは語る。口先だけではない“透明感”がNetflixという企業を一つ上の高みへと押し上げているのだ。

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