ストーン・ローゼズにまつわる昔話 (永野)

ストーン・ローゼズの存在を知ったのは高校生の頃に目にした音楽雑誌です。異常なテンションで凄い凄いと謳ってるので「これは聴かなければいけない」と田舎者はまんまと雑誌の思惑に嵌り近所のGEOでファーストアルバムを借りました。

ストーンと言えばその頃ローリング・ストーンズがスティール・ホイールズ旋風を巻き起こしていて、自分はミック・ジャガーとキース・リチャーズの関係が修復したと言われてもその前を知らないので一夜漬けの知識で無理やり感動していました。
だからストーンと言われたら不良を連想しました。更にはローゼズと言われたらガンズ・アンド・ローゼズを連想しまして、それを足したストーン・ローゼズで想像する音と言ったら激しいブルースロックでしょうか。

期待を胸にCDを再生したところ音姫のような音がしばらく続き、続いて透明感のあるギターが鳴り、遂に現れたボーカルは薄い声量。『メイド・オブ・ストーン』に至ってはジャッキー・チェンの歌に聴こえて、全体を通して自分が期待していたものと違い「なんで音楽雑誌はこんな優しい音楽に熱狂してるんだ?」と首を傾げました。

The Stone Roses/YouTube

それから時が流れて自分は東京にいて、また音楽雑誌を中心に「ストーン・ローゼズが帰って来た!」と盛り上がってるのを冷めた眼差しで見ていたのですが、何かで聴いた『ラブ・スプレッズ』が自分には恐ろしい程カッコ良く音楽雑誌を凌駕するテンションでCDを買いました。聴くとそれは最初に自分が期待していたストーン・ローゼズの音で、ボーカルに対しては免疫があったので「これはファーストを超えたな」と思ったのですがそう思ったのは世界で自分1人だけで、アルバムは期待外れの烙印を押されていました。最近改めてちゃんとファーストを聴いてみたのですが清涼感に引き込まれていくアルバムで、「こっちにときめいたファンにセカンドはキツい」と確かに思いました。

The Stone Roses/YouTube

こういう話をしてると必ず「私セカンドの時に産まれました」と言われたり、もっと多いのは「私のパパと同じ歳なんですね」ですが、自分はあなたのパパとは違って勉強も部活もして来なかったばかりか成人式にすら参加しておらず、お笑い芸人を目指すも弟子入りせず学校にも入らずコンビすら組むのがダルかった落ちこぼれで、現在46歳ですが気持ちは既に80歳ぐらいで、あなたのパパの事がとても羨ましいです。

文・永野

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