中学生の頃兄貴の影響で洋楽を聴き出したのですが、当時はU2の『ヨシュア・トゥリー』が全盛で、あのモノクロのジャケットに代表される世界観をカッコ良く感じまして、自分で初めて(とはいえ親の金で)CDを買う時にU2のような硬派で渋いものを探し求めて悩んだ結果ジャケ買いをしたのは、間違えてザ・スミスのラストアルバム『ストレンジウェイズ、ヒア・ウィ・カム』でした。

これが聴いてみたら期待していたものと全然違ってポップな演奏につかみどころのない歌唱。驚きましたが今と違って音楽を聴くのに結構なお金がかかる時代でしたので「せっかく買ったし」と繰り返し聴いていたら段々心地良くなってきました。しかし和訳を読むとU2と大違いで、屈折と言えば聞こえは良いですけど屈折の度が過ぎてて、当時の自分は「こんな事をせっかくの機会にわざわざ歌にするか?」と不思議に思っていました。それからは正直聴いてませんでした。
ひょんな事から最近このアルバムを改めて聴き直してみたのですが、いろいろあった今の自分が聴くと非常に心地良く、そのまま他のアルバムも手に入れました。
この「好むと好まざるとにかかわらず人間社会の外側にいますけど決してブレてはいないですよ」という強気な歌詞と、バンドの3人は確かに存在するのに自分以外の誰もいない露天風呂のように自分勝手に気持ちよさそうに歌うモリッシーの姿が勇しくすら感じられました。「人間社会の外側」という感覚は自分が上京した頃の日本のサブカル界隈にあったと思うのですが、今や日本のサブカルもスマートな人たちの戦略によってそれはそれと認められてしまい、自分のような人間社会の外側にいる者から見たら(一部の人を除き)気恥ずかしい1つのジャンルとなってしまいました。地味ハロウィンを見た時に感じるバツの悪さのようなものに近いです。
でもよく考えたらそれって自分が歳を取ったからで、若い時も日本のサブカルって(一部の人を除き)地味ハロウィンと変わらないスタンスだったような気がしてきます。そうなると自分もモリッシーから軽蔑されるであろう人間でザ・スミスを語る資格などなく、地味ハロウィンで「人を俯瞰で見ている自分」を主張する一見自意識なんて概念なんかないですよと言いながら自意識に溺れたどこにでもいる普通の奴らの一員なんだと思うと自意識の高い自分はやる気が失せてしまいました。ザ・スミス…。
文・永野

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