シド・アンド・ミッキー (永野)

エドワード・ファーロングといえば『ターミネーター2』でデビューした美少年という印象すら今の人にはないと思うぐらい忘れ去られた存在かもしれませんが、とにかくあの映画での彼はインパクトがあって今でもガンズ・アンド・ローゼズの『ユー・クッド・ビー・マイン』を聴く度にアーノルド・シュワルツェネッガーの膝の上に乗せられてバイクをかっ飛ばされてるシーンを思い出します。

YouTube

日本での人気も凄くて、ここだけで歌手デビューしたり学ラン姿でCMに出たりしていました。そんな彼もその後は薬物依存症にアルコール依存症に無免許運転に飲酒運転に元嫁へのストーカー行為で逮捕されたり恋人への暴力の疑いで逮捕されたりこれでもかと言うほどの落ちぶれっぷりで、更には元のルックスが良すぎたので体重が増えただけで醜く見えてしまい、これぞ美少年の宿命これぞどん詰まりといった様子でした。

しかし自分はエドワード・ファーロングの功績を讃えたく忘れてはいけないのがジョン・ウォーターズ監督作品『I love ペッカー』、エドワード・ノートンと共演した『アメリカン・ヒストリーX』、KISSのコンサートに行きたい少年たちの青春もの『デトロイト・ロック・シティ』の3本で、そのどれもが神ががっていて、それなのにそこからのキャリアがパッとしないのは余程本人の素行が悪いんだろうなと切なくさせられます。
でもこの破滅的な感じにキュンとするというか、はっきり言わせてもらうとシド・ヴィシャス好きとかシドこそパンクとか言ってる人たちはエドワード・ファーロングの事もそういう扱いにするべきです。

YouTube

YouTube

YouTube

シド同様若くして凄い現場に入り、シド同様ルックスの良さで祭り上げられて、シド同様薬物に依存して、シド同様恋人に暴力を振るい、シドと違って生き延びただけなんです。極論、エドワード・ファーロングは死ねなかったシド・ヴィシャスです。シド・ヴィシャスのライブ・アルバム『シド・シングス』ってそこから漂って来る不穏な匂いの記録だと思うのですが、エドワード・ファーロングがこれからもっと生きる事でその匂いが悪臭に変わった時にもしかしたら『レスラー』のミッキー・ロークみたいに復活する日が来るんじゃないでしょうか。
人間、死なない限り生きてるので、自分の事をシドになれなかった死に損ないだと思う人がいたら今度はミッキー・ロークを目指して生きていけばいいと思います。

YouTube

文・永野

TAGS