高校卒業後にはお笑いをやりたかったのに根性がなかった自分は専門学校に親の金で入学したのですが、専門学校行きを考える前に大学進学という道もありました。しかし遠出して受けたいくつかの大学には全て落ちました。
それもそのはず、自分は小学校の頃からろくに勉強もせずスポーツにも明け暮れず高校時代なんて教科書を開いた記憶もなくだからといって退学する事もなく、なぜならクラスメイトもバカばかりで退学する人間の方が自分の意思があって立派に見えたのです。
3年生になり尾崎豊さんが亡くなったニュースが日本中を駆け巡ったのですが、自分も含めそれまで尾崎豊の事をよく知らなかった周りの友達が急に流行りで聴き出して、今まで物事を深く考える事などなかったくせに急に「夢とは」「愛とは」「人生とは」とか言い出しました。その時その様子を冷めて見ていた友人に「尾崎豊ってああ言ってるけど頭いい学校らしいよ」と言われてハッとしました。頭いい学校の人間だからこそ規則も厳しいでしょうし、だからこそ「この支配からの卒業」という歌詞が出来たのです。
一方、自分の周りに支配などなく、ドラマに出てくる不良のクラスみたいな有り様で、自分は授業中ずっと寝ていました。そんな中で熱い指導をする教師もいましたが先程の冷めた友人に「あいつのノリに引っ張られたら終わり」と吹き込まれまして、一切相手にしませんでした。
遡れば落ちこぼれの自分は中学生の時にも担任の教師から熱い指導を受けていたのですが一切相手にせず、卒業式の日にその教師に生徒一人ずつ花束を渡そうという流れになり照れ笑いしながら渡したら、自分の名前は一樹というのですが「一樹が笑った!一樹が笑った!」とその教師はその教師の中のドラマの最終回を無理やり作り出していまして、中学3年生の自分は「こいつアホか」と冷めた目で見ていました。
そんな生意気な落ちこぼれの自分は案の定不良の高校に入るハメになり、そこに「支配」も「支配からの卒業」もなく、そう考えると尾崎豊とは実は進学校の生徒さんのカリスマであり、悩める頭を持つ学生さんの味方であり、自分のような落ちこぼれには全く関係のない存在だという事が分かり寂しくなりました。今思えば、勉強をすれば良かったです。スポーツをすれば良かったです。暴走族に入れば良かったです。そしたら少しは尾崎豊を楽しめたのに。
文・永野

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