二ルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」と17歳の私 (永野)

自分が17歳の1991年に聴いた二ルヴァーナによって悪い意味で性格が暗くなったと今までいろんな場所で話していたのですが、改めて冷静に振り返るとその前の自分の17年間を美化していただけだという事に気が付きました。

自分は幼稚園の入園試験で結果を出したが故に幼稚園小学校中学校と比較的いいところの子が通う地元密着感のないスクールへ行き、その学校のエスカレーターは中学校止まりで高校からはヤンキー校に通う事になるのですが、それもそのはず、入園試験でたまたま結果を出しただけで勉強なんてしない、スポーツも出来ない、小学校まではギリギリ面白い子扱いされていたのですが中学校からは本格的な落ちこぼれ。だけどいいところの子が通う中学校だから繰り返し言いますけど地元密着感のない自分にヤンキーを気取る権利がない、教師からは目をつけられる、遡ると小学校から中学校に進学する時に当時の担任に呼ばれて「お前は本当はあの中学校には行けない。エスカレーター式だから行けるだけ」と言われたのをよく覚えています。

中学一年生の時から洋楽を聴いていたのですが、その頃の洋楽は今思えばチャラチャラしていたと思います。

一昔前のバンドであるセックス・ピストルズを初めて知った時は衝撃的だったのですが、その頃はバンドブームで田舎なのでパンクをやるのはヤンキーで、ヤンキーの権利がない自分にセックス・ピストルズの真似をするのは恥ずかしかったです。

話は17歳に飛んで自分はヤンキー高校にいて、持ち前のユニークさでいじめられる事もなく、ある日たまたま手にした雑誌で二ルヴァーナのアルバム・ネヴァーマインドの告知写真を見ました。「なんだこのやる気のない3人組は!」THE BLUE HEARTSやBOØWYに対してもファンだと公言する権利を感じていなかった自分はその後アルバムの一曲目「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」ばかりを何万回と聴きながら「俺は二ルヴァーナのファンだ!」と公言する権利があると思えました。

Nirvana/YouTube

カートが地元アバディーンを白い目で見ている事へのシンパシー、日記からランダムにコピペしたかのような歌詞へのシンパシー、曲へのシンパシー、あらゆる事柄に対する舐めた態度へのシンパシー。でも今思えばシンパシーというより単にかぶれていたんだと思います。騙されました。

文・永野

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