あなたは「この人の映画が好きだ!」と言える監督が何人いますか?自分にとっての一人はマイケル・チミノ監督です(でもまだ全作品観てません)。
特に最初の3本でどんどん調子に乗った結果、付けが回って『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』にたどり着く時期がツボで、巨匠の道が用意されてた筈なのにそうなれなかったところに人生の厳しさが見えて胸が締め付けられます。
最近デビュー作『サンダーボルト』を改めて観て痺れました。冒頭の大自然のショットから「あー!贅沢だ!マイケル・チミノだ!」と思いますし、個人的な解釈ですがそこからの教会へと車が悠々と到着して襲撃する流れは『キル・ビル』に影響を与えたんじゃないかと思っています。
あんなにクエンティン・タランティーノに楽しませてもらっておいて元ネタを知るとそっちの方が良いとかほざいてしまいますが、映画というものの面白さを再確認させてくれたのはどう考えてもクエンティン・タランティーノですし、それはプライマル・スクリームに対する感情にも似ていて、ダブとか色々教えてもらったくせに本家を知ると急に軽く扱いがちなんですが、それは彼女には出来ない事をさせといて風俗嬢に帰り際説教する行為と同じで人間の屑がやる事です。
話は逸れましたがマイケル・チミノから自分は何を教わったかと言うと、現代を生きる窮屈さつまらなさからの解放、更に言うと「昔はこんなだったよな」というノスタルジーでは終わらないむしろ「昔みたいにやりたいな」という元気な気持ちです。中高年が「昔は良かった」と言うのは恥ずべき事ではなく尊重すべき事で、マイケル・チミノの映画を観ていると「じゃあ本当に昔に戻そうよ」という積極性が湧き上がってきます。
特に『サンダーボルト』での行動はどれもこれも今ではいちいち頭を下げなければいけない事ばかりで、でも今考えるとそこまで人に頭下げなくても良かったのかなという、自虐的だった感覚を捨ててみようという気持ちになれます。クリント・イーストウッドの役も今のイーストウッドの役のように成熟しておらず、しかし観ているともしかして成熟するという事は単に退屈になるだけで、案外成熟しない方が楽しいのかなと思ってしまい、例えば実際のマイケル・チミノが話してる映像はどう見ても嫌な奴っぽくて、その方が楽しそうなんですよね。他人の評価なんてどうでもいいですよ鬱陶しい。
文・永野

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