90年代後半に大流行りしたラップメタルというジャンルの代表リンプ・ビズキットですが、当時の若者には支持されたものの評論家やミュージシャン仲間からは評判が悪く、一番の理由は「なんか鼻につく」でした。
90年代以降のロックはいい感じにアートになってたのにリンプのせいでまた80年代に戻るのかという嫌われ方が自分には痛快でした。彼らの大ヒットアルバムはその名も『チョコレート・スターフィッシュ・アンド・ザ・ホットドッグ・フレイヴァード・ウォーター』。バカなのに微笑ましくない、鼻につくタイトルです。

そんな絶頂期に「レディオヘッドみたいな音楽をやりたい」と普通の事を言い出した辺りから様子がおかしかった天才ギタリストのウェス・ボーランドが脱退して一気にバンドの調子が悪くなります。それから新しいギタリストを入れて歌に重きを置いたアルバムを出したり、しれっとウェスが戻って来て重苦しいアルバムを出したと思ったらまたウェスが脱退。しかし2009年にウェスが再度復帰。そして2011年には遂に本来のバカっぽさを取り戻した完全復活作『ゴールド・コブラ』をリリース。しかしセールスは非常に悪くレコード会社を離脱します。
それからアルバムは10年以上リリースされてないですし世の中的にはサードアルバムで終わってるバンドなんですが、自分は『ゴールド・コブラ』以降のリンプこそが最高だと思っていて、何故なら長い間リンプは「鼻につく」という評価を見返したくて他に馴染もうと歌モノやらシリアスなのやら試したと思うんですけどファンからしたら「リンプ!違う!キツいかもしれないけど違う!」で、リンプはやっと自分たちが何をやっても鼻につく存在だと気づいて開き直ったんだと思います。
自分がリンプに勝手にシンパシーを感じるのはそこで、自分はアングラじゃ比較的愛されていたのに世の中に出た途端に自分が何をやっても鼻につく存在である事を知り驚愕したのですが、つまり世の中とロフトプラスワンのお客様は違ってて、例えばロフトプラスワンでは登場して「今日はハズレ回ですよ」と言ったらウケたのですが、世の中は「ハズレ回?お前何様だ老害オワコンが生放送にて俳優にビンタしたのはあれは芝居ではなくガチギレだろう性格悪いから干されたんですかクソワロタ」と言うので、世の中は見たままを信じる素朴な人に溢れてて、だから詐欺が絶えないのだと思います。
文・永野

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