自分がゲイリー・グリッターの名前を知ったのはU2のボノが90年代に入って奇をてらっていた頃のインタビューで自分のそしてU2の当時のぎこちなさを自嘲気味に例えた時に使われた名前ででした。
それから気になってその人の写真を見た時衝撃が走りました。デヴィッド・ボウイの美貌やマーク・ボランのカリスマ性とはかけ離れて、エルヴィス・プレスリーになりそびれて狂ったオッサンにしか見えなかったのです。
他のグラムロック・アーティストに比べて少し歳上なところもロック=若者の代弁という図式から離れてインチキ臭く映りましたし何より音楽通でもない自分の耳には聴くとどの曲も一緒に聴こえました。しかし一曲だけ、たった一曲だけ中毒性がある、聴いてる内に段々頭が狂いそうになる曲がありました。
『ロックン・ロール・パート2』です。
この曲、歌ではなく全編掛け声で、彼自身の他の曲にも類似したリフがあるギターの音色がこの曲にはバッチリハマっててそれが気持ち悪いのに快感になってくるのです。
それから自分は2016年あたりに本格的にブレイクするのですが、何の因果か自分も他のブレイク芸人より少しどころかかなり歳上。狂ったオッサンのような芸…「あ」。自分はその時完全にゲイリー・グリッターのあの写真の笑顔の意味を理解した気持ちになりました。
それから暫くしてヒャダインさんに「永野さんが売れなかったらこうなってたという映画を見つけました」と紹介された映画『ジョーカー』を映画館で観た時にジョーカーが覚醒したシーンで戦慄が走りました。階段の踊り場のようなところで踊るジョーカーのバックに流れるのは『ロックン・ロール・パート2』。更にはラッセンネタのイントロのような動きをするジョーカー。
「これは俺か?」
「俺は売れなかったらこうなってたのか?」
シャレにならないのはゲイリー・グリッターその人は児童買春及びセックス・スキャンダルにより服役中の身。その事実は前々から知っていたので、それなのに『ロックン・ロール・パート2』を使ったこの映画に驚きました。否が応でもジョーカーとゲイリー・グリッターの存在が被ります。
こんなに胡散臭い男はロック界に今後現れないのではないでしょうか。自分も人からキモいウザい胡散臭いと散々言われて気が狂いそうになるというか、既に狂ってるのかもしれませんが、あの2人のようにはならないように生きていきたいなと思いました。
文・永野

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