13日の金曜日と十七歳の地図 (永野)

小学生の頃通学路に映画の看板が6枚ほど立てかけられた場所があり、それを見て今何の映画をやっているのかを把握していました。自分の中で特に印象に残っているのが『13日の金曜日 完結編』で、キャッチコピーは「この夏、心臓瞬間停止!」。こっちを見ている切り傷が痛々しいハゲ頭の少年の名前はコリー・フェルドマン。
その後『グーニーズ』『スタンド・バイ・ミー』など子役として華々しいキャリアを積んでいったのですが、いつの間にか第一線からいなくなっていました。子供の自分から見てコリー・フェルドマンは他の子役と違いとても華々しく、あそこまでのカリスマ性を持った人間がいまいち評価されてないのが未だに歯痒いのですが、最近はマイナーな映画に出つつも主な活動は音楽らしいです。

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映像で観るとライブはどれも最高で、子役時代に可愛がってもらってたマイケル・ジャクソンが憑依したようなパフォーマンスと言えば聞こえが良いですけど実際にはマイケル・ジャクソンそのままの格好と動きなのに本家のキレはなく、歌唱も本家の美声とは違ってダミ声で、なのに自信満々にやるもんだからマイケル・ジャクソンを観てる時より別の意味で圧倒されます。アルバムもマイケルっぽいんですけど本家より突き抜けてる瞬間が随所随所にあります。

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この感じは高校生の頃のある日のカラオケを思い出させます。友人が尾崎豊の『十七歳の地図』を歌ったのですが、自分はその時は尾崎豊を知らず友人の歌詞への気持ちの込め方と説得力に感動して、暫くしてから本物の尾崎豊を聴いて「〇〇の十七歳の地図の方がいい」と思いました。世の中にはカバーソングが溢れていますが、自分は「アーティスト自身がアレンジを加えたカバー」より「その曲が好きだから歌うカラオケ」の純粋さが好きです。その点コリー・フェルドマンのライブやアルバムは究極のカラオケって感じで、友人の十七歳の地図に匹敵する完成度があります。

「イエスマン」と聞くとネガティブな印象を受けますが、もしかしたらコリー・フェルドマンの周りには幼少期からイエスマンしか存在していなくて、普通は疑心暗鬼になって行くのですがコリー・フェルドマンはそれを全身に受けながら天真爛漫に育った事で唯一無二の輝きを放っているのだと思います。いつかコリー・フェルドマンの『十七歳の地図』を聴いてみたいです。失神するかもしれません。

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文・永野

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