ガンズの新曲『ABSUЯD』を聴いて (永野)

ガンズ・アンド・ローゼズが13年ぶりの新曲となる『ABSUЯD』をリリースしました。往年のメンバーであるギターのスラッシュ、ベースのダフ・マッケイガンが参加したオリジナルの新曲としては約30年振りとの事。

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聴いて引っかかったのはスラッシュとダフが戻って来たのに懐かしさが微塵もないのです。むしろボーカルのアクセル・ローズのソロアルバム状態だった2008年発表アルバム『チャイニーズ・デモクラシー』の延長線上と言った内容で、あれはオリジナルメンバーがアクセルしかいない状況で何とか作り上げた仕方のない一枚だと当時のリスナーは解釈していたのですが今作を聴いて「あれって好きでやっていたのか」と誰もが驚いたはずです。今作もせっかくのスラッシュとダフの存在は薄く、やはりガンズはアクセルのワンマンバンドなんだなと再認識しました。だからこそスラッシュもダフも思う所があって一度は離れたわけですし。

これって何かに近いなと思ったらジョン・ライドン率いるパブリック・イメージ・リミテッド(PIL)で、PILも最初はジョン・ライドンとそれ以外のメンバーとの化学反応だったと思うのですが今やジョンとそれに付き合う優しい人達といった構図でむしろ見てて微笑ましいです。

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世間では大人になってから自分に意見してくれる人の存在こそが大事と言いますが正直大人になってまであれこれ言われたくないですし、誰とでもそつなくこなすのが頭良いって言いますがそこまでして人に頭良いって言われなくて結構ですし、正直なところ自分にとって優しい人達と楽しく過ごせればそれで満足ですし、そうなるとジョンとアクセルは自分のような大人にとって憧れの姿です。

しかしこんな成長を拒んだ考えの大人が幅を利かすと若者に悪影響を与えるという事で代わりに最近では「少年のような大人」というトレンドが推されています。これは仕事にも遊びにも少年のように積極的である事が好まれるという考えです。若者ウケも上々です。一方で自分は好きな事以外に例えば温泉に行きたいけど最近サウナに何故か若い人達が増えて気絶するぐらい退屈な話が耳に入って来て外に出たら出たで若い人達が整った整ったって笑ってるからお前ら敷かれたレールの上を歩いてるだけだから最初から整ってるだろと青臭い事を思って舌打ちをする、老人のような大人になっていました。俺が老害だ。名前は知ってるよな。

文・永野

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