映画関係者が噂する Appleの“暗黙のルール”

iPhoneはこれまでに様々な映像作品のなかでも登場しているが、映画関係者からは“ある指摘”が出始めている。それは、「Appleが劇中の悪役キャラにiPhoneを使わせないようにしている」というものだ。

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019年)や『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017年)などでメガホンをとった人気監督ライアン・ジョンソンは、米誌<ヴァニティ・フェア>のインタビューで、「この話は、ストーリー上重要な“謎”を台無しにしてしまう危険性があることなんだけど、Appleは映画の中でiPhoneを使うこと自体は許可しても、悪役に持たせることは許可していないんだ」と打ち明けた。

“悪役はiPhoneを持つことができない”。仮にこうした暗黙のルールが映画界に存在し、すべての映画製作者がそれを守っているとするならば、例えばミステリー映画などでは、どんなに怪しい登場人物がいたとしても、iPhoneを持っていればその時点で“悪役ではない”ということになってしまう。

ライアンが監督を務めた本格ミステリー映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』は、劇中に登場するキャラクターのほぼ全員が、犠牲者である犯罪小説家ハーラン・スロンビーを殺害する可能性を持っており、その中から、誰が犯人なのかをダニエル・クレイグ演じる主人公ブノワ・ブランとともに解き明かしていくことが楽しみとなっているのだが、“悪人はiPhoneを持てない”という縛りが多くの観客にとって周知の事実となってしまうと、ストーリーの本筋とはまったく関係のない部分で“ネタバレ”が発生してしまい、謎解き要素が台無しになってしまう危険性があるというわけだ。

ライアンは、「こんなことを話してしまうと、(観客にネタバレしてしまうので)劇中に“謎の悪役”が登場する映画の製作者たちは、きっと僕を殺してしまいたくなるんじゃないかな(笑)」と、冗談めかした調子でコメントしている。

実はこうしたAppleによる“縛り”は、かねてより業界内外で噂されていた。Appleのファンサイト<MacRumors>によると、Appleは「Apple製品とApple社が好意的に表現されているケースでのみ、使用されるべきだ」と述べているのだという。そのため、近年では自社のストリーミングサービス用に制作されたコンテンツで、Apple製品がどのように表現されるかを懸念し注視していると、ニューヨーク・タイムズ紙も報じている。しかし、これらの“縛り疑惑”について、Appleは正式にコメントしていない。

どの程度までが本当のことなのか分からないが、2002年には日本でも大ヒットとなった人気テレビドラマシリーズ『24 -TWENTY FOUR-』のなかで、全ての善人キャラがMacを使用し、逆に全ての悪役たちがWindowsを使用していると、米誌「WIRED」が指摘しているのも事実だ。

企業が自社製品のイメージダウンに繋がる表現を嫌うことはもっともだが、自由で斬新、クリエイティブなイメージをいつでも全面的に押し出してきたAppleであるだけに、こうした“いきすぎた縛り”が事実ならば、少なからず残念だ。

Vanity Fair/YouTube

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