KOしまくる野獣 マイク・タイソン、若い時からヤバかった

数々のボクサーがいる中、マイク・タイソンほど名の知られた存在もいない。派手な私生活やスキャンダル、悲劇的な半生、リング外での無茶苦茶なエピソードで、ボクシングファンにも知られるカリスマ的存在だ。だがタイソンが偉大なのは、何よりボクサーとしての圧倒的なまでの強さ故だ。そのことを改めて思い知らせてくれるのが、『The World Of Boxing』なるひたすらタイソンの全盛時を振り返る動画だ。

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1985年、18歳でプロデビューしてから4戦負けなしで迎えた5戦目。相手は明らかに身長差のあるジョン・アルダーソン。小柄でリーチに劣るタイソンが圧倒的に不利と思われたが、セコンドの指示により2R目からボディに集中してに攻めるとアンダーソンのマウスピースを吹き飛ばすほどのパンチがヒット。あとはどう仕留めるか、わずか2Rでダウンを奪いTKO勝利をもぎ取った。

9戦目のドニー・ロング戦。ヘビー級戦線への復帰を狙う実力者ロングを相手にのっけから猛然と襲い掛かると、30秒でダウンをもぎ取るタイソン。勢いでロープに吹き飛ばされるほどだ。しかしまだ1R目。ロングも当然反撃に出るが、わずか1分28秒でまたダウンを奪い、レフェリーが試合を止めた。ここまででタイソンはどんどんと知名度を上げており、新人にありがちだが過大評価との批判も起こる。

そんな中、膨れ上がったハイプを黙らせ力を知らしめるよい機会となるはずだった18戦目。ジェシー・ファーガソンを一瞬で沈めた右ボディ、右アッパーカットの組み合わせは、実力を知らしめる、というレベルではもはやなかった。それでもプロデビュー以来最長の6Rファイトとなる。試合後、長丁場にさすがに苛立ったのでは、と聞かれ「俺はいつだってイラついたりはしないよ」と話す様子は少年性を残しつつも冷徹。次期ヘビー級チャンピオンになるであろう、恐るべき若者の存在を多くが知る事となった。

1RでKO勝利をもぎ取ったエディ・リチャードソン戦。いきなりダウンを取られ驚くリチャードソン、そして二度目のまるでビル倒壊工事のような姿がショッキングですらある。タイソンはいつも通り、圧倒的だった。
だがこの時、無二の師、親同然の存在だったカス・ダマトが世を去ったばかり。孤独な生い立ちのマイクにとって、その悲しみは想像を絶するものだっただろう。勝利後のインタビューで「時に残念なこと、悲しい事は起こってしまうよね。でも俺たちの人生は、それらに止められるわけにはいかないんだ」と語っている。まだ20歳そこそこ、大事な家族を失いながらも前進しようとしていた。

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