自己啓発本などの作家で慈善活動家としても知られるトニー・ロビンズに招かれたマイク・タイソンがインタビューに応じた。セルフ・エンパワーメントを中心としたセミナーを開催するほか、基金を設立して貧しい若者やホームレスへの援助を行うなど貧困問題にも取り組んでいるトニーなので、スラムからのし上がってきたタイソンには聞きたいことが山ほどあるようだ。
ボクシングだけでなくタイソンの人間的な部分にまで強い影響を与えることになる最大の恩師カス・ダマトを失いながらも栄光に身を任せ、荒れた精神状態の挙句に収監された経緯についてもタイソンは赤裸々に語った。刑務所では争いが絶えなかったという。
「刑務所にいるオレたちのような奴を、世間の誰も気にしちゃいない。誰にも心配されない。死んでも誰もなんとも思わないだろう。それなら、なぜ日陰者同士、囚人同士で争うんだ? オレたちは本来仲間だ。そうやって人種を超えてみんなを結びつけようとしたんだよね」と刑務所時代を振り返る。人を傷つけるだけではない自身のあり方を獲得していった様子が伺えるエピソードだ。
「世界一稼ぎのあるアスリートになっても、オレは惨めでくだらない存在だった。それがオレのエゴのなれの果てさ。自分ではそうとしか思えなかった」と打ち明けるタイソン。自己肯定感や幸せは、金や力では手に入らないことを身をもって知っているのだ。
「ビーストになることを使命として、ビーストであることを期待され続けた人生から、どのように方向転換することができたのでしょう。すごいことだと思うのですが」とトニーが尋ねると、タイソンはそこには家族がいてくれたと語り、「妻には本当に感謝している。“オレといると地獄を見ることになるよ”と言っても、彼女はずっと離れずに付き合ってくれた」「子どももいたけど、その当時は向き合おうとしなかった。世界一強いボクサーになることしか考えていなかったから。でもいまは世界一の夫、世界一の父親であることの価値を知ってるつもりだよ」と感謝を表した。
「世界の頂点もどん底も経験したあなたが、いまどん底で苦しんでいる人にどんな言葉をかけるでしょうか」とトニーが問いかけるとタイソンは力強く語る。
「人は自分が思ってるよりも強い。自分が見積もっているよりも、人はすごい存在なんだ。だから自分を信じること。人に信じられている自分じゃなくてね。自分自身を認めて信じれば、最悪なときも乗り越えられるはずさ。オレはかつて“ひどい目にあっても、攻撃されても、すべて受け入れて決してやり返さない強さ”ってものをまったく理解できなかった。それの何が“強さ”なんだって思ってたよ。でもそういうことなんだろうね」
「その強さをあなたはすでに手にしていますよ」とトニー。タイソンは再び少し声をつっかえながら、小さく「ありがとう」と返事する。
「オレは欠陥だらけだ。でもそのおかげで分かることや感じられる幸せがある」
絶対王者だからこそ語ることのできる言葉がある。地獄を見た彼が、奇跡的にまだ生きているということは、スポーツ界だけではなくすべての人々にとって大きな意味のあることなのかもしれない。
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