“心の中の悪魔”と戦ってきた マイク・タイソン、栄光と挫折

自己啓発本などの作家で慈善活動家としても知られるトニー・ロビンズに招かれたマイク・タイソンがインタビューに応じた。セルフ・エンパワーメントを中心としたセミナーを開催するほか、基金を設立して貧しい若者やホームレスへの援助を行うなど貧困問題にも取り組んでいるトニーなので、スラムからのし上がってきたタイソンには聞きたいことが山ほどあるようだ。

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12歳の時に少年院に送られたタイソンにボクシングを教えた元プロボクサーで教官のボビー・スチュワート。成長して強くなってゆくタイソンに紹介したのが、伝説的なトレーナーであり、ボクシングだけでなくタイソンの人間的な部分にまで強い影響を与えることになる最大の恩師カス・ダマトだ。タイソンが16歳の時に母親が亡くなったのだが、その際にはタイソンを養子として迎え、彼の保護者にもなった。

しかしそのカスも、タイソンがデビューして11連勝を飾った直後にこの世を去ってしまう。幼い頃から戦い続け「他人を傷つけることでしか生きてこられなかった」というタイソンは、当時「誰かを傷つけて、破壊することで人から賞賛され愛されてきた」という矛盾に激しく苛まれていた。その上、肉親以上といえるカスを失い、人間として成長し学んでゆく方法がわからなくなったのだ。カスは人間性豊かな人物だったというが、本当ならばカスが若きタイソンを人として導くはずだった。

師であり、肉親以上の存在であるカスを失ったタイソンの悲しみは計り知れず、それ以降も暴力で人を傷つけたいという“心の中の悪魔”と長い間戦ってきたと話すタイソン。カスによってボクシングと愛情を知ったが、カスの死とボクシングの栄光はタイソンから人間的な優しさを奪ってしまったのである。

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