無名時代のスパイク・ジョーンズを見出し、多くのスケートブランドを創設し大成功させたマイク・キャロル

スケートボードはただ難易度の高いトリックを成功させるだけでは賞賛を得られることはできない。決して難しいとは言えないトリックでも、正確にボードをコントロールして自身のトリック(技)へと吸収したり、また、そのスケーターだけのオリジナルのリズム感でトリックを成功させることでこそ、評価へ繋がるという側面がある。

そんなスタイルとリズムを限界まで昇華させたレジェンドが今回紹介するマイク・キャロルだ。「EMB」と呼ばれたサンフランシスコの今は亡き有名スポットで腕を磨いた彼は、<H-ストリート><プランB>という80~90年代のエリートチームの一員として活躍した後、チームメイトだったリック・ ハワードとともに人気スケートブランドの<ガール><フォースター><ラカイ>など、多くのスケートブランドを創設し大成功を収めた。

そして、スタイルとリズムに関しては、今は亡きスケートメディアカンパニー「トランスワールド」から2000年にリリースされた『モーダス・オペランディ』で最高潮に達している。それは、その後に現れた数多くのスタースケーターたちがお手本としてベストパートに選んでいることからも、そのすごさが証明されている。それではそのパートをご覧いただこう!

Transworld Skateboarding/YouTube

特に49秒あたりから1分3秒あたりまで続く、一連のスムーズな滑りは当時、多くのスケーターに影響を与えたスタイルとリズムだった。

また、マイク・キャロルとリック・ハワードは、自身たちのチームのクールさを広めるのに映像の重要性を十分理解しており、その後、『マルコビッチの穴』や『アダプテーション』といった名作映画の指揮を執るスパイク・ジョーンズを、まだ無名時代にチームビデオの監督として迎え入れている感性の早さも見逃すことはできない。

Cherry Soda/YouTube

こちらは<ガール>の兄弟ブランド<チョコレート>から1995年にリリースされたタイトル『ラス・ヌヴェ・ヴィダス・デ・パコ』。チームライダーをガンマンに仕立て上げた映像がスパイク・ジョーンズらしい。

crailtap/YouTube

こちらは1996年に<ガール>からリリースされたタイトル『マウス』。タイトルどおり、ネズミの着ぐるみに身を包んだリック・ハワードをはじめ、随所に当時CMディレクターを務めていたスパイク・ジョーンズらしい映像が散りばめられる。

ただ単に難しいトリックを目指すのではなく、ベーシックなトリックでもスタイルとリズム感で、カッコ良いスケートボードを魅せることができるんだということを教えてくれたマイク・キャロル。50年以上に渡るアメリカのスケート史において殿堂入りしているのは間違いないだろう。

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